安倍晋三首相はこのほど、中国包囲の政策を講じる一方で、中韓両国との関係改善の願いを示しているが、これにはどのようなカラクリが隠されているのだろうか?
習慣的な考え方により安倍氏の方針転換をとらえるべきではなく、安倍氏の対中政策の転換が、中国との友好や妥協を示していると考えるべきではない。そのように理解すれば、それは大きな勘違いとなる。安倍氏は右派の政治家、現職の首相として、政治と経済を分離する政策を進めている。つまり日本の利益にとって重要な政策では手を緩めず、これを絶対に放棄しようとせず、そればかりか推進し続けようとする。同時に中国に首脳会談という平和の手を差し伸べ、両国の「政冷経熱」(政治は冷たく、経済は熱い)という自らの目的に達しようとしている。
安倍氏はこれまでの強硬政策を維持し、軍事面で自衛隊を国防軍に変える方針を続け、南西諸島の軍事力と防衛力を強化していくだろう。また外交面では米国と共に中国を抑制し、フィリピンなどの国を支援し中国に対抗し、価値観・民主国体制などを媒介として、その他の国家を巻き込み中国を抑えこむ。しかしこのように強硬な政策に対して、中国は一分の隙もない構えで応じるだろう。中日は「政冷経冷」(政治も経済も冷たい)を続け、安倍氏の今後3年間の経済業績の深刻な障害物となる。