■中国外交はより高い目標に向かって進む力を蓄えている 最大の試練は周辺
金氏は「山積みの国内課題を前に中国外交は以前、足取りを少し緩めた。だが今年前半の動きからは、新時期の中国外交が向上心に富んでいることが見てとれる。これは今年後半も変わることはない」と指摘。「全体的に、新指導部は外交を非常に重視している。新時期の中国外交は特に全方位的だ。これは大きな必要性があってのことだ」と述べた。金氏によると、中国外交は「より高い目標に向かって進む時期」にあるため、意思疎通を一層図り、外部の障害を減らす必要がある。
李氏は「目下、国際体制の構築は過去を受け継ぎ今後を切り開く重要な段階にある。新指導部の外交体制は、こうした微妙かつ肝要な国際体制の転換の中で中国が自らの核心的利益を効果的に守る助けとなる」と指摘した。
今年後半、中国は米国との関係を中心に大国間関係に引き続き力を入れると見られる。今月中旬に中国の常万全国務委員兼国防部長(国防相)が訪米し、多くの共通認識にいたった。李氏は中米は軍事面の交流や協力を強化し続けると予測する。
「中国外交にとって最も主要な試練はやはり周辺だ」。李氏は「新たな情勢の下でアジア太平洋地域は以前にも増して複雑で、試練を抱える状況となる。アジア太平洋地域において中国外交は非常に重要かつカギを握るものであり、新指導部の外交的知恵が試される重要な議題でもあるはずだ」と指摘した。
「周辺外交は非常に重要であり、中国外交の4本柱の1つだ」。曲氏は「中国外交にとって最大のチャンスも、最大の試練も、最大の希望も周辺にある。最も問題が生じやすいのも周辺だ。現在焦点となっている一連の問題の原因は中国ではない。したがって、中国の周辺外交は『守るべき一線』の思考を堅持すべきだ」と指摘した。
昨年9月の日本政府による不法な「島購入」以降、中日関係は対峙状態が続いている。これについて李氏は「日本は現状に甘んじない国だ。右傾化が抑え込まれなかったり、憲法改正が最終的に実現したりすれば、中米および多くのアジア諸国を再び害するだろう」と強調。曲氏ら取材した複数の専門家は中日関係の現在の対峙状態はまだしばらく続くとの見方を示した。(編集NA)
「人民網日本語版」2013年8月27日