BRICSは世界金融セーフティネットを共同構築すべき
BRICSは世界金融セーフティネットを共同構築すべき 。 年前のリーマン・ブラザーズの経営破綻によって、金融危機が全世界を席巻した。この危機によって世界金融ガバナンスシステムの脆弱な一面が露呈するとともに、人々は協力によって金融リスクを防ぎ止めることが世界の安定にとってどれほど重要かを認識するにいたった…
タグ： BRICS 外貨準備基金
5年前のリーマン・ブラザーズの経営破綻によって、金融危機が全世界を席巻した。この危機によって世界金融ガバナンスシステムの脆弱な一面が露呈するとともに、人々は協力によって金融リスクを防ぎ止めることが世界の安定にとってどれほど重要かを認識するにいたった。（人民日報「鍾声」国際論評）
少し前にサンクトペテルブルクで開かれた第8回G20サミット会期中、BRICSが1000億ドル規模の外貨準備基金の創設について再び協議を行ったとの情報が伝わった。世界金融システムにおいて一挙手一投足が全局面に影響を及ぼす建設的パワーであるBRICSによる外貨準備基金創設は重大な意義を持ち、世界経済の成長促進と世界金融市場の安定に寄与する。
2008年の世界金融危機発生後、BRICSはいずれも先進国より良好な経済状況にあったが、目下、一部先進国が量的金融緩和政策を縮小するとの観測から大量の資金が先進国に回帰。ブラジル、インド、南アフリカは外資撤退と通貨下落に直面し、経済の安定的成長に累が及んでいる。困難を前にBRICSは早急に協力を通じてリスク防備能力を強化しなければならず、外貨準備基金創設はまさに時宜にかなっている。
BRICS外貨準備基金の重点は緊急対策にあり、危機が生じた際に、流動性と国際収支に困難が生じた加盟国に資金援助を行うことができる。通常時には、外貨準備基金によって、BRICSの金融の安定に対する投資家の信頼を高め、各国の金融の安定に対する外的衝撃を弱めることができる。また、BRICSが近い経済発展水準と共通の世界的試練を踏まえて金融セーフティネットを構築することは、国際通貨基金（IMF）、チェンマイ・イニシアティブ、欧州安定メカニズム（ESM）などの地域金融協力枠組みが世界的な金融セーフティネットを共同構築するうえでも助けとなる。 近年、BRICS協力は絶えず発展しているが、いかにして具体的協力内容を拡充し、相互間の調整と協力を強化するかがBRICSにとって主要課題の1つとなっている。
外貨準備基金はBRICSの共通利益の一致点を踏まえて創設され、相互信頼を強化し、外的衝撃へのBRICSの防御能力を強化するもので、BRICS協力体制の構築における進展だ。南アフリカのインベステック・アセット・マネジメントのポートフォリオ担当者は「外貨準備基金は、調整と協力によって計画を実行に移すBRICSの能力を象徴している。この点は非常に重要だ」と指摘した。
BRICS諸国は各々国情が異なり、ガバナンス理念にも多少違いがあるが、外貨準備基金やBRICS開発銀行のような利益の共通点が増えさえすれば、BRICSは着実に前進することができ、国際政治・経済構造で発揮する建設的役割もそれに伴い大きくなる。
中国経済はすでに世界経済と高度の融合を果たしている。BRICSを始めとする新興国は世界経済成長の重要なエンジンであり、中国の重要な貿易・投資パートナーでもある。中国はBRICS外貨準備基金の最大の拠出国だ。これは中国が高まり続ける経済力を運用して、世界経済ガバナンスに一層の責任を担う意向であることを示すものであると同時に、中国がBRICSの協力水準の引き上げを促すという一貫した立場を堅持していることの表れでもある。
パートナーシップをたゆまず深化し、協力体制をさらに整備し、各分野の対話と協力を強化し、実務協力の潜在力を十分に掘り起こしさえすれば、BRICSは必ずや団結、協力、ウィンウィンという積極的なメッセージをさらに多く世界に伝えることができる。（編集NA）
「人民網日本語版」2013年9月18日
 |
|
 |
コメント数:0最新コメント
一覧同コラムの最新記事
