中国の外相として初訪米した王毅外交部長は現地時間9月20日夜、ブルッキングズ研究所で「いかに中米新型大国関係を構築するか」と題する演説を行った。王部長はこれに先んじて、バイデン副大統領、ケリー国務長官、ヘーゲル国防長官らと会談していた。王部長の台湾問題、朝鮮の核問題、中日関係などの敏感な問題に対する意思表示は、各界の注目を集めた。ブルッキングズ研究所中国問題専門家の李成氏は環球時報のインタビューに応じた際に、王部長の演説は素晴らしかったと語った。日本の世論は21日、王部長の意思表示は、日本に対する強硬姿勢を再び示したとした。
20日夜に王部長が演説を行った一階のロビーには、米国の現職・元高官および各界の中国問題専門家が詰めかけた。王部長はまず英語で序言を述べ、それから中国語で正式に演説を開始した。その内容は下記の通り。
今年は中米関係にとって、重要な意義を持つ一年だ。6月に両国首脳はカリフォルニア州の避暑地サニーランズで、歴史的な会談を成功裏に終えた。最も重要な成果は、双方が中米新型大国関係の構築で合意に達し、道を切り開いたことだ。これは同時に、アジア太平洋地域および国際構造の変化に対して、積極的かつ深遠な影響を及ぼすだろう。双方はこの共通認識に達してから、自然と次の二つの問題に直面している。まずは、中米新型大国関係の中身とは何か。それから、我々はいかにこの関係を構築するべきか。一つ目の問題について、習近平国家主席は三つの言葉により、要点を非常に的確にまとめている。一つ目は、「衝突と対立を回避する」、二つ目は、「互いに尊重し合う」、三つ目は「ウィンウィン」だ。
王部長は二つ目の問題について、次の五つの提案を行った。(1)戦略的信頼関係を絶えず促進する。(2)実務レベルの提携を大々的に促進する。(3)人文の交流を積極的に強化する。(4)世界・地域のホットスポット、および世界的な問題における提携を絶えず強化する。(5)中米のアジア太平洋事業の提携を重点的に強化し、アジア太平洋を中米新型大国関係の「試金石」とする。