習近平国家主席がバリ島から帰国し、李克強総理もベトナム訪問を終えたことで、新指導部の年内の外交活動はひとまず一段落する。今年の国際的な付き合いの中から、世界は中国指導者の個人的魅力、独特の立派な風采を目にし、中国外交の今後の戦略構想を理解することができる。世界の大国、近隣国、発展途上国との付き合いにおいて、以前と異なるどのような新たな構想や態勢があるのだろうか?「中国大外交」には係争の処理においてどのような原則や譲れぬ一線があるのだろうか?どのような理念で外交構想を統括するのだろうか?ここではこうした問題を整理してみたい。人民日報海外版が伝えた。
■キーワード:「中国の夢」「新型の大国間関係」「重点は近隣地域」「運命共同体」 「2つの『断じてできない』」
■キーワード1「中国の夢」
「中国の夢は平和、発展、協力、ウィンウィンの夢であり、世界各国の人々の素晴らしい夢と相通じる」。習主席はオバマ大統領との会談で、中国の夢と世界の夢について、このように完璧な注釈を加えた。第18回中国共産党大会報告のキーワード「互恵・ウィンウィン」は現国家指導者の外交活動において最も重要な理念となった。
中華民族の偉大な復興という中国の夢を実現するには、平和・発展という外部環境が必要だ。だが「中国の夢」と世界との連動はこれには到底止まらない。英紙フィナンシャル・タイムズは「中国の夢は世界各国と利益の合流点を拡大し、利益共同体を構築する」と報じた。中国の夢と世界の夢は、命運が関係し合い、意味が相連なっている。
「中国の夢」は中国外交の実践の中で世界に広められる。習主席はAPEC会議で4つのビジョンを共有した。「アジア太平洋地域は共同発展、開放型発展、革新型発展、連動型発展を追求すべきだ」。大所高所からの思想は、各国の一致した称賛を勝ち取った。
指導思想「中国の夢」の下の中国外交には、安全保障観でも新たな理解がある。李総理は第8回東アジアサミット出席時、生き生きとした比喩を用いて「1本の箸では物を食べるのは難しく、2本の箸を一緒に使って初めて食べ物を挟むことができる。一掴みの箸を束ねれば容易には折れなくなる。サミットの各出席国はいずれも地域の安全と安定に対して責任を負う」と述べた。
あるタイ紙は「中国の夢は世界にとって発展の新たなチャンスを意味する」と報じた。まさに習主席の述べたように「世界の繁栄と安定は中国のチャンスであり、中国の発展も世界のチャンスであり」、中国のチャンスと世界のチャンスはかつてないほど緊密に結びついている。1つの世界、1つの夢、平和が永続し、共に繁栄する世界。これが中国の夢が国際社会にこだまさせている呼び声だ。