■キーワード2「新型の大国間関係」
楊潔チ国務委員は「新情勢下の中国外交の理論と実践の革新」において「新型の大国間関係を構築し、中国と各大国との関係の良好な相互作用、協力・ウィンウィンを実現することは、大国間関係の計画を立てるにあたっての新指導者の重要な理念だ」と指摘した。大国間の対立とゼロサムの角逐という歴史の前轍を踏まぬよう、中国指導者は新型の大国間関係の構築において新たな道を踏み出した。習主席の言葉を借りれば「前人の成し得なかった道を後人のために切り開く」ものだ。
新型の大国間関係とは何か?習・オバマ庭園会談で、習主席は新型の大国間関係を3つの言葉で鋭く概括した。第1に非衝突、非対立、第2に相互尊重、第3に協力・ウィンウィンだ。2回の会談、1回の晩餐会、一緒の散歩。協力について語ったが、溝を避けることもなかった。働きかけ合いの時間と質、交流の深みと幅のいずれにおいても、かつてないものだった。オバマ大統領も新型の大国間関係という構想に積極的に応じた。ケリー国務長官は「両国は協力が溝を大きく上回る。米国は中国側と大国間対話の模範を築くことを期待している」と表明した。
今年3月、習主席は就任後初の訪問先にロシアを選んで、両国の経済、貿易、エネルギー、戦略、安全保障協力を強化し、戦略面の相互信頼、エネルギー事業、包括的・戦略的協力パートナーシップの新たな発展を得た。ロシア・ノーボスチ通信の政治論説員は「習主席の今回の訪問の意義は中露関係の深化だけでなく、両国の『世界戦略』の確立にもある」と指摘した。
新指導部は欧州との関係も重視し、欧州諸国を訪問し、オランド仏大統領など欧州諸国の指導者を中国に招待してもいる。中国・欧州協力において、李総理は中国・スイス自由貿易協定(FTA)交渉の妥結を皮切りに、中国・ドイツ協力を全面的に推進し、中国・欧州戦略協力の水準を一層高めた。まさに李総理が述べたように「世界は団結した、繁栄する、強大な欧州を必要としている。中国は一貫して戦略的観点から中国・欧州関係を扱い、世界の一極としての欧州の重要な地位を支持している」のだ。