第2に、中国経済の明るい展望の持つ吸引力を体現している。中国経済の急成長によって隣国との経済的結びつきの緊密化に堅固な基礎が固められた。現在すでに中国はロシア、インド、モンゴルを含むほぼ全ての周辺国にとって最大の貿易パートナーとなっている。複雑で変化に富む国際経済・金融環境の中、中国経済の健全で着実な発展という展望は周辺国が最も重視し、有望視している。中国とこうした周辺国の長期経済発展戦略は明らかに合致し、経済・貿易関係は相互補完性が競争性を上回る。今年に入り、中国指導者が外遊時に打ち出した「シルクロード経済ベルト」「海のシルクロード」の構築という提案は、関係国に多大なビジネスチャンスをもたらす。現在、中国とロシア、インド、モンゴルとの関係はいずれも新たな出発点に立っている。今回の3国首相訪中期間に双方は協力の大きな潜在力をさらに掘り起こし、経済、貿易、投資、エネルギー分野の実務協力を重点的に推進し、各々の双方協力を新たな段階へと押し上げる。
第3に、互恵・ウィンウィンという時代の潮流に順応している。中国とロシア、インド、モンゴルとにはいずれも歴史的怨念があったが、現在はいずれも今に着眼し、未来を志向する姿勢を選択している。どの国の外交も国益に基づき重点を定め、選択を行い、国家間に利益面の考量と懸念が多かれ少なかれあることは隠し立てするに及ばない。中国との戦略的協力パートナーシップを発展させるというロシアの立場は誠実なものだが、経済・貿易分野と中央アジアの地政学的状況の面で双方間の立場には差異がある。インドは発展途上国、新興大国としての中国との共通性を重視しているが、国境、対中貿易赤字、中国・パキスタン関係などの問題で懸念も抱えている。モンゴルは中露両大国の狭間に位置し、外交面で中露との関係を優先的に発展させる一方で、「第三の隣国」との外交がより多くの戦略的空間と経済的利益をもたらすことに希望を託してもいる。だが全般的に見て、中国と3国はいずれも小異を残して大同につく方針を選んでいる。ましてや双方は共通利益が溝を遙かに上回るのであり、戦略面の相互信頼と実務協力の強化を図ることが双方にとって最大の共通認識となっている。
3国首相の一斉訪中は、新情勢下の中国の特色ある大国外交の1つの縮図であり、良い兆しでもある。(編集NA)
「人民網日本語版」2013年10月22日