30数年間の急速な発展を経た今、環境問題は経済問題であるだけでなく、社会問題でもある。社会問題であるだけではなく、政治問題でもある。地方経済の発展促進において、われわれはGDPと財政の伸びだけを見てはならないし、住民所得の増加だけを見てもならない。汚染が悪化して呼吸もままらなくなっては、どんなに経済成長率が高くても何の意味があろうか?そんな発展をどうやって続けられるというのか?生活環境が破壊され、青い空と白い雲が高望みとなっている。たとえ所得が倍増しても、庶民の幸福感が高まることはない。一部の地方政府は、立ち後れた生産設備を排除しようとしない時、大衆がどう感じているかをもっと考えてみるべきだ。構造調整の痛みを恐れている時、庶民の不満にもっと配慮すべきだ。
われわれは西側先進国が数百年かけて歩んだ道をわずか十年で歩んだのであり、モデル転換の直面する問題はなおさらに複雑で困難だ。「船が大きいと向きを変えるのは難しい」。汚染対策には確かにプロセスが必要であり、一挙に成功させるのは困難だ。高エネルギー消費、高汚染の立ち後れた生産設備を排除するだけでも、具体的な企業で実行すると銀行債務の解消、従業員の解雇と再就職といった難題に直面する。だがこれを上は動くも下は動かない理由にしてはならず、手をこまぬいて傍観する口実にしてはならない。難しいなら、なおさらに勇敢に毅然と取り組む必要がある。苦しいなら、なおさらに早く行動する必要がある。
大気汚染対策は強風頼みとはいかないし、河川汚染も増水で洗い流すというわけにはいかない。発展のモデル転換を実現できるかどうかによっわれわれのガバナンス能力が試されており、われわれが市民の信頼を得られるかどうかも決まる。エコ文明を推進し、美しい中国を建設し、空が青く、緑にあふれ、水の清らかなふるさとを子孫に残すと、中央は決意した。各級指導幹部は、政治的業績や政界での名声よりも、住民の間での名声の方が重要であることに目を向けなければならない。序列や順位よりも、大衆の心の中での地位の方が重要であることに目を向けなければならない。青い空を高望みではなくすることは人心の向かうところであり、生産が発展し、生活が豊かで、環境の良好な文明は大勢のおもむくところだ。この人心と大勢に従って難関を突破するための苦難は耐える価値があり、代償は支払う価値がある。(編集NA)
「人民網日本語版」2013年11月6日