問題があるからこそ、人々は今後改革効果が一層上がることに大きな期待を寄せている。世界銀行に勤務した経歴を持つバークレイズのエコノミスト、常健氏は「中国経済はすでに、改革しなければ成長の潜在力を解き放ち、リスクを下げることのできない段階に達している」と指摘。ゴールドマン・サックスやUBSは、今回の三中全会で中国の今後数年間の全ての重要分野の改革枠組みと改革方針が決められると見ている。
三中全会の打ち出す改革措置は中国経済の発展を力強く促すとの認識で人々は一致している。世界的な調査では圧倒的多数の回答者が、中国指導者が地方政府債務問題の解決に着手し、金融改革を推進する中、三中全会の開催は今後中国で金融危機が発生する確率を下げる助けになるとの見方を示した。
三中全会が打ち出す可能性が最も高い改革として、回答者は金融市場改革と地方政府融資改革を挙げた。また、バンク・オブ・アメリカのエコノミスト、陸挺氏は「三中全会は一人っ子政策の緩和に着手するシグナルを発し、農村土地使用権改革試験事業の開始、政府・司法システムの簡素化を打ち出し、官僚的気風の大幅な排除を約束し、自由貿易区試験事業によって中国の開放を一層進め、環太平洋パートナーシップ協定(TPP)など地域貿易・投資協定により積極的に参加する方針を打ち出す」と予測した。
米紙ウォール・ストリート・ジャーナルは三中全会で大きく取り上げられる可能性のある議題として、政府機能の転換、経済成長モデルの転換による経済のリバランスの実現、都市化と金融自由化の推進、産業の高度化と革新能力の向上などを挙げた。また、会議の打ち出す改革措置は金融資本市場の深化と改革に資するとの見方を示した。
■中国の改革をチャンスと見る
国際資本の中国への注目は、実は自らの利益への注目でもある。牛氏は「改革は中国にとってチャンスであり、全世界にとってもチャンスだ」と語った。アナリストは「金融体制と通貨体制、国有企業改革、重要な経済分野への外資参入などでの改革の行方は、外資の利益と緊密に関係してくる。産業構造、消費構造、福祉体制の調整も、国際市場に関係してくる。こうした分野の改革開放は外資にさらに多くの機会を提供する」と指摘した。
牛氏は「中国の工業化、都市化はまだ完了しておらず、資本は段階的に開放される。外資の対中投資はそこに自らの発展空間を見いだすことができる。投資分野の新たな機会には都市ガス・水道網などの改造、省エネ、環境保護、情報インフラ整備などがある。消費分野では情報、健康サービス、特に高齢者サービスに参入できる。上海自由貿易区にも外資は大いに注目している。要するに中国の未来は黄金に満ちており、外資を歓迎している」と述べた。(編集NA)
「人民網日本語版」2013年11月9日