中国の空母「遼寧艦」と4隻の艦艇が28日早朝、台湾海峡を通過し南中国海に入り、予定されている試験・訓練海域に向かった。中国の空母艦隊は今回、釣魚島(日本名・尖閣諸島)付近の海域に入らなかったが、米国と日本は警戒を強めており、空母艦隊の動向を注視している。
米日が監視を強化
中国の空母艦隊は今回、釣魚島付近の海域に入らなかったが、米国と日本は警戒を強めている。台湾軍の消息筋は、「このほど各国の空の電子偵察と空軍の早期警戒が、常にない盛り上がりを見せている」と語った。中国の軍事専門家は環球時報に対して、「空母は一国の重要な抑止力の一つだ。遼寧艦は試験艦であるが、さまざまな憶測が飛び交うことは想像に難くない。米日などの遼寧艦に対する監視リレーは、遠海・遠洋に向かう中国の空母に対する歓迎隊に過ぎない」と語った。
中国海軍、「大海軍時代」へ
防衛省防衛研究所の専門家は環球時報の取材に応じた際に、「米国のニミッツ級とジョージ・ワシントン級による空母艦隊が南中国海の海域に配備されている。日本の切り札である、排水量が1万8000トンに達する護衛艦『いせ』もフィリピンに到着している」と述べた。中国の遼寧艦が到着すれば、南中国海に3カ国の4隻の空母が集結することになり、遭遇の可能性もある。これは平和な時代においては非常に稀なことであり、各国の南中国海に対する支配権の争いが日増しに白熱化しており、衝突のリスクが高まっていることを意味する。