■効力に疑いを差し挟むことは許されない
環球時報:日本国内にはカイロ宣言の法的効力に疑問を呈する声が常にあり、安倍政権も歴史問題で度々隣国を怒らせている。この文書の現実的意義をどう受け止めるべきか?
劉迪:日本の国際法学界はカイロ宣言の国際法的地位を認めており、刊行された数種類の国際条約集もカイロ宣言を収録している。だが日本外務省は「カイロ宣言とポツダム宣言は当時の連合国の戦後処理の基本方針を示している」とする一方で、「こうした宣言には中華民国を含む当時の連合国が尖閣諸島(すなわち中国の釣魚島)がカイロ宣言の指す台湾の附属島嶼に含まれると考えていたことをはっきりと示す証拠はない」と主張している。
浅井基文:日本との関係から見ると、ポツダム宣言は「カイロ宣言ノ條項ハ履行セラルベク」と定めており、日本は降伏文書でもポツダム宣言の条項を忠実に履行すると約束した。このためカイロ宣言の内容には日本に対する法的拘束力がある。これは非常に明確だ。日中(および日韓、日露)の領土問題から見ると、ポツダム宣言第8項は上記の文言に続き「日本國ノ主權ハ本州、北海道、九州及四國竝ニ吾等ノ決定スル諸小島ニ局限セラルベシ」とも表明している。たとえカイロ宣言の条文から直接的な結論が得られなくても、日本はポツダム宣言に基づき、領土問題は法的に言ってすでに解決済みだということを認めなければならない。
安倍政権の歴史認識は、日中関係の最悪の状態を招いた重要な原因だ。カイロ宣言に歴史認識への明確な言及はないが、これら4つの文書を総合的に見る視点が不可欠だ。私は軍国主義的歴史認識の徹底的な清算を日本に要求したポツダム宣言第4項を特に重視している。だが、戦後の日本政治を支配した保守勢力は人員、組織、思想面で戦前の伝統を継承した。特に軍事大国の復活を目標とする安倍政権は依然として昔のままの歴史認識の中にある。そして米国は安倍政権の危険な本質を寛恕し、日米軍事同盟強化の目標に向けて前進している。米国はカイロ宣言を含む自らの主導した4つの文書に故意に逆行している。この点は警戒に値する。(編集NA)
「人民網日本語版」2013年12月2日