中国は11月23日、東中国海の防空識別圏の設定を発表し、同空域を通過するすべての航空機に対して、中国に飛行計画を提出するよう求めた。防空識別圏を巡る喧伝、いわゆる中国が冒したさまざまなリスクについて耳にすれば、中国がすでにどこかの島に侵攻したか、火器管制レーダーを米国の空母に照射したかのように思われるだろう。しかし中国側から見れば、防空識別圏は政策的な成功を獲得し、米国の意図を理解するための低リスクな措置であるかもしれない。米ウェブサイトが伝えた。
(一)防空識別圏の発表は、当初より一方的な行動であった。中国がそれが存在すると言えば存在することになり、大多数の航空会社も飛行計画を提出するだろう。潜在的なリスクが存在するため、政府の後ろ盾がなければ、責任感ある企業の役員は他の手段を選ばないだろう。中国はこうして空の現状を変え、この変化を利用し東中国海における主権の要求を強化する。
(二)外交と受動的な姿勢が、釣魚島(日本名・尖閣諸島)を中国に返還させることはない。中国は島嶼の帰属に関する係争が存在するとしており、返還させられないとしても協議に応じさせようとしている。しかし日本は中国の立場を受け入れていない。中国は行動により、日本の立場が現実と一致しないことを示す必要がある。「実効支配すれば、勝算は9割」の原則に基づけば、中国の目標はこれらの島嶼の係争なき主権でもある。それならば同目標に対する、武力を用いないすべての行動のリスクは低めとなる。
(三)中国は局面がすぐに正常化すると踏んでいる可能性がある。いくつかの岩礁のために戦争しようとする国はない。米中関係には他にも多くの問題が存在し、中国は韓国と日本の重要な貿易パートナーでもある。中国には、防空識別圏がより重要なことを台無しにすると判断する理由がない。