(四)中国の防空識別圏が引き起こした不満は、主に中国が悪意あると判断している国、すなわち日本と米国から来るものだ。日本政府の「島の購入」から、中国公式メディアは日本が現状を変えたと批判を繰り返してきた。米国の意図に対する中国の判断も悲観的になっており、米国のアジア太平洋回帰は中国けん制の建前である可能性が高いと考えている。
(五)結果がどうあれ、中国は米国の対アジア・中国政策の価値ある情報を獲得できる。スーザン・ライス国家安全保障問題担当大統領補佐官は11月20日、米国は「新たな大国関係のモデルを模索する」と称した。米国の防空識別圏に対する反応は、米国がこの「新モデル」を真の意味で受け入れること(米国が信頼できる仲裁者であること)を中国に理解させるか、中国がその後表明したように、中国に対するダブルスタンダードで日本の攻撃性を助長することを理解させる。
最後の点と関連することだが、中国の指導部はおそらく、海外(特に米国)が反対するほど、国内に対して西側諸国の欺瞞を見せつけられることを意識した。米国は戦後の秩序を維持すると表明したが、中国は1943年のカイロ宣言により、東中国海の島嶼を中国に返還しなければならないと主張している。米国の反対は過去の約束に背いているようであり、自国が何をしようとも「責任感あるステークホルダー」にはなれないという、中国の疑いを深めることになる。
これらの観点から見ると、中国の防空識別圏の設定は、軽率な行動でもハイリスクな措置でもなく、深い熟慮に基づくものであることが分かる。
「中国網日本語版(チャイナネット)」 2013年12月16日