中国は米日軍事同盟の未来の運命に影響を与える、強い潜在力を持っていることが分かる。日本の米国に対する安心感が薄れるほど、米日軍事同盟の政治的信頼関係が脆弱化する。中国は今後さまざまな条件を設け、日本の米国に対する不信感を増すことができる。日本の右翼政治家は、米国がいかなる条件下でも日本の利益を守るため犠牲になるとは信じていない。米国から見捨てられるリスクに備えるため、彼らは長年に渡り米国のコントロールからの脱却、日本を真の「正常な国」にすることを求めてきた。平和憲法の改正は、日本のこの「強い国の夢」を実現するための、法的な地ならしと言える。
この論理に基づき、米日の政治的信頼関係を弱め、米日の軍事同盟を瓦解させることは、決して不可能ではない。中国がこの数年内に攻勢を維持し、日本に対して防空識別圏の設定のような措置を続ければ、中国の核心的な利益を固めると同時に、米国に日本を裏切らせ続け、日本の米国に対する信頼を損ねることができる。
国際関係の歴史に詳しい人ならば、どれほど堅固な同盟関係も相次ぐ信頼の危機には耐え切れないことを理解しているはずだ。ましてや中国の手中には多くの好カードがあり、これを秩序正しく切り出すことができる。米国と限度ある対立を続けると同時に、日本の米国に対する失望を促し、米日の政治的信頼関係を弱めることができる。(筆者:辜学武 独ボン大学グローバル研究センター長)
「中国網日本語版(チャイナネット)」 2013年12月23日