米国人は目を覚ますべきだ。国際社会の糾弾と強い非難の中、安倍は先日、今後2年で南太平洋の島国を歴訪し、南太平洋で戦死した日本軍50万人の「魂」の「慰霊」を行うと公言した。これには先日靖国神社を参拝した新藤義孝総務相の外祖父で、硫黄島の戦いの日本軍最高指揮官・栗林忠道も含まれる。真珠湾、珊瑚海、ミッドウェー島、硫黄島、ガダルカナル島……米国人にとって耳慣れぬ地名ではあるまい。米国人も分かっているはずだ。安倍が呼び戻そうとしているのが軍国主義の魂であり、覆そうとしているのが太平洋戦争の評価であることを。
靖国神社遊就館内の解説にあるように「ルーズベルト米大統領が日本を戦争発動に追い込んだのであり、大東亜戦争は『自衛戦争』だった」。安倍の外祖父はA級戦犯容疑者の岸信介だ。こうした誤った歴史観は安倍の頭に根深く刻まれている。安倍の心の中には日本が侵略戦争を発動したことに対するやましさはなく、あるのは広島と長崎の2発の原爆に対する恨みと、戦後日本が「不公平な待遇」を受けたことに対する憤慨だけだ。安倍は日本をいわゆる「普通の国」にし、「強い日本を取り戻す」ことを望んでいる。アジア近隣国との摩擦は名目に過ぎず、歴史の確定評価を覆すのは伏線に過ぎず、最終的目的は戦後国際秩序の束縛、米国の束縛から脱することなのだ。米国は本当にそんなに落ち着いていられるのか?米国がいくつかの点をはっきりさせることを望む。
米国は一体日本をどのような国にしたいのか?戦争の罪責を深く反省し、近隣国と睦まじくつきあう日本か、それとも戦後国際秩序と人類の良識に挑戦し続け、近隣国を挑発し続ける「トラブルメーカー」か?平和的発展を堅持する日本か、それとも軍拡と戦争への備えを続け、米国を戦争に巻き込もうとさえする日本か?