中国中央テレビ(CCTV)の「春晩」(春節を祝う中国の国民的年越し番組で、日本の紅白歌合戦に相当)で中仏のアーティストが共演するとの情報が少し前にネット上で大きな注目を集め、中国のネットユーザー6億人の間に広まった。中仏国交樹立50周年にあたる今年の「春晩」にフランスの女性スターが招待されることにインターネットユーザーは一様に賛成し、人々の予想を上回る反響があった。これは中国におけるフランスの印象を示すものだ。(文:翟雋・駐仏中国大使)
フランスは中国人の心の中で最も名声を博している国の1つだろう。中国人のフランスに対する好感は、その悠久の絢爛たる文化、先進的な生産技術とスマートでユニークな生活、そしてフランスの育んだヴォルテール、ルソー、ユーゴーら世界文明を照らした先賢、巨匠、さらに周恩来、鄧小平らかつての中国指導者が青年時代にフランスで働きながら留学したことなどによるものだ。1964年、フランスは他の西側の大国に先駆けてイデオロギーの垣根を突破して新中国と国交を樹立し、中国人の記憶に一層深く刻まれた。この決定は世界の構造の行方に計り知れない深い影響を与え、フランスは中国外交において独特の戦略的地位を占めるにいたった。
世界は大きく変化し、今や中仏間の貿易額は国交樹立当初から500倍以上増加し、人的往来数は現在の1日で国交樹立当初の1年半に相当する。中仏関係は多くの大国間関係の中で、戦略性、グローバル性、時代性によって独特な一角を占め、多くの分野でパイオニア的成果を上げ続けてきた。双方は原子力、航空、高速鉄道などの分野で成果に富む協力を繰り広げてきた。両国間で初めて行われた相互文化年も国際人的・文化交流の模範となった。10年前にエッフェル塔が赤くライトアップされ、シャンゼリゼ通りを中国人が盛装してパレードしたことは、いまだに語り継がれている。
現在の中国が経済発展方式の転換を加速する中で直面している問題や試練には、フランスがかつて経験したものが少なくなく、フランスの経験は中国にとって学び、参考にする価値がある。フランスは西側現代文明の重要な代表であり、工業、科学技術、マネジメント分野で独自の強みを持つ。一方、中国の巨大市場は中仏の互恵協力に大きな将来性をもたらしている。多くの重大な国際問題において見解が近い、または似ているために、中仏は国際新秩序の構築を推進する過程において重要な対話パートナーとなっている。
過去50年間、中仏関係は相互傾聴、相互尊重の原則に従い、包括的・戦略的パートナーシップへと発展し、世界のバランスのとれた発展も促した。新たな時代において、中国の急速な上昇基調・実力とフランスの独自の強み、影響力を結びつければ、さらに輝かしい未来を創造することが必ずできる。中仏関係の次の50年間に大きな自信を抱く理由が、われわれには完全にある。(編集NA)
「人民網日本語版」2014年1月27日