安倍首相が昨年末に靖国神社を参拝して以来、安倍首相を含む日本の政府高官はずっと靖国参拝について弁解を続けている。米国を訪問中の岸田文雄外相も、米国側に「参拝の真実の意図」を説明し、首相の「積極的平和主義」について釈明することが今回の主要任務の1つだという。日本政府の言い分はどうせ、「参拝は不戦の誓いを表明するため」、「積極的に地域の平和を守る」といったいつもの主張に違いない。しかし、現在にいたるまで、日本の弁解に同調し、理解を示した国はない。良知があり、第二次大戦に関する基本的な是非の観念を持つ国と国民ならば、日本の言い分を信じるわけがないからだ。安部首相と日本政府は、このような主張を言い続けていれば他国からの「理解」を得られると信じているようだ。しかし、日本の言動を振り返ってみると、安倍政権が自らに貼った「積極的平和主義」のレッテルと、実際の状況がどれだけかけ離れているかが分かる。(文:華益文・国際問題専門家。人民日報海外版コラム「望海楼」掲載)
言動が矛盾、心にもないことを言う、虚偽と傲慢——。これらが、安倍政権のこの1年あまりの状況を表すのに最も適した言葉だろう。安倍氏は初めて首相に就任した際、中国と戦略的互恵関係を築くことを提起した。再び首相に就任する前後にも、両国関係を戦略的互恵関係の原点に戻すと幾度も言及していた。さらに、少し前の春節に在日華人に向けて発表したメッセージでも「日中関係は戦略的互恵関係の原点に立ち戻ることが必要」と表明している。しかしこの1年あまり、安倍首相はこうした発言以外で対中関係を実質的に改善する何らかの措置を講じただろうか?
日本は第二次大戦で降伏した際、ポツダム宣言を受け入れ、サンフランシスコ平和条約により、極東国際軍事裁判所の裁判を受諾した。さらに中日国交正常化の折には、中国と釣魚島(日本名・尖閣諸島)をめぐる紛争を棚上げするという共通認識に達した。しかしこの1年あまり、安倍政権は間違った歴史観を堅持し、歴史の是非を転倒させ、誤った言論を大量にばら撒いている。釣魚島問題では、棚上げという両国の共通認識を拒否し、釣魚島へのいわゆる「統治権」を強めようと目論んでいる。一般的には、戦後の非常に長い期間、日本は経済強国ではあったが、政治的には弱国で、戦略的思考に欠けていると見られてきた。この点、安倍首相は確かに島国特有の「狭い考え」を打破し、「戦略的思考」を見せ、「戦略的外交」を披露している。「アジアの民主的安全保障ダイアモンド」戦略を提唱し、日本はアジアでより積極的なリーダーとしての役割を果たし、中国を抑制すると公言している。この1年あまり、安倍政権はいたるところで「中国脅威論」を押し売りし、国際舞台でも「中国脅威論」を吹聴しているが、こうしたやり方は地域の緊張と国際的対立を招き、中国の対日不信を強めるのみだ。