日本の「産経新聞」は2月7日、中国外交部が1月下旬に習近平主席がソチ冬季五輪の開会式に出席することを発表したと伝えた。当時、中国共産党の機関紙「人民日報」は、これは中国の五輪への支持、ロシアが開催する冬季五輪への支持を示すと論評。しかし、習近平主席のロシア訪問の理由はそれほど単純ではない。
報道によると、中国は釣魚島(日本名・尖閣諸島)と歴史認識をめぐって日本と対立し、ASEAN(東南アジア諸国連合)各国と南中国海の主権を争っている。また、欧米は中国の不透明な軍備拡張、人権問題などを絶えず非難している。中国にとって、立場が近いロシアに「恩を売る」ことは上策といえる。
中国側は、習近平主席が2年連続で新年最初の訪問先にロシアを選んだことはロシアへの重視を示すと強調した。しかし、中国側が習近平主席の開会式出席を発表した時期が安倍首相がソチ訪問の意向を示した時期と重なったことから、中国側が日露首脳の接近を懸念していることは否定できない。習近平主席はオバマ大統領などの欧米首脳が欠席するチャンスを利用し、首脳外交を積極的に展開したい考えである。
日本の「読売新聞」は7日、中国の習近平主席が6日にソチでプーチン大統領と会談したと伝えた。習近平主席が2013年3月に国家主席に就任してから、プーチン大統領との面会は6回目となる。会談で、双方はシリアの化学兵器問題への対応で協力することを強調した。
「産経新聞」は7日、中日のソチでの外交戦では中国が圧勝するとの見方を示した。習近平主席による日本の軍国主義や右傾化に対する批判は潘基文(パン・ギムン)国連事務総長とプーチン大統領から支持されている。一方、安倍首相はプーチン大統領と最も期待していた北方四島(ロシア名:南千島諸島)問題について話し合えていない。
外国メディアによると、習近平主席は6日にロシアを訪問し、ソチ冬季五輪の開会式に出席した。中国の国家主席が外国で開かれる大型のスポーツイベントに出席することは初めてであり、「スポーツの祭典」を利用して中露の結束をアピールし、安倍首相や開会式をボイコットした欧米首脳を牽制する狙いがある。
「中国網日本語版(チャイナネット)」 2014年2月10日