中国の劉暁明・駐英大使はこのほど、英国の王立国際問題研究所(RIIA)において、「中国はアジアの平和・安定の力だ」と題する講演を行い、アジア及び周辺諸国をめぐる中国の外交政策について全面的に詳述した。劉大使は、「中国の軍事費増加についてどう思うか」という聴衆からの質問に対し、中国の国防政策における「防御性」と「平和性」について、次の通り項目別に詳述した。人民網が伝えた。
(1)中国の国土は極めて広大で、面積は960万平方キロメートルに及ぶ。これは英国の40倍、日本の25倍に相当し、軍事費は両国の2倍に達する。中国は14カ国と陸続きで、8カ国と領海を接している。英国と日本は、何カ国と接しているだろうか?中国の陸上国境線は2万2千キロメートル、海上国境線は3万2千キロに及ぶ。中国軍は、国家の安全を守るという面で、極めて重い任務を担っている。
(2)中国の軍事力増加は、国家の経済・社会発展レベル及び国防需要に伴うものでなければならない。中国経済は過去30年あまり、2桁台の年成長率を維持してきたが、国防予算がGNPに占める割合は年々低下している。また、中国では、国民1人あたりの軍事費支出は、大国各国の中で最も低く、米国の22分の1、英国の9分の1、日本の5分の1にとどまっている。また、軍人1人あたりの軍事費を見ると、中国は米国の10分の1、日本の5分の1だけだ。これらの数値から、中国における軍事費の増加は適度であると言える。
(3)中国の外部環境はさらに複雑化し、海外利益は増加の一途を辿っている。中国の貿易相手国はますます増え、今では米国を追い抜き世界最大の貿易国となり、国際航路の安全に対する関心は高まり続けている。中国は、国連平和維持活動を重視し、積極的に参加するだけではなく、ソマリア海域に海軍を派遣し、中国および各国の商業船の護衛任務を担っている。