中国社会科学院は先月31日午後、「日本青書(2014)」の発表会および日本情勢に関するシンポジウムを北京で行った。人民網が伝えた。
「日本青書(2014)」は総論、政治安全、対外関係、経済・社会、付録の5つの章からなり、2013年の日本の政治情勢、安全政策、対外関係、経済・社会の諸分野を振り返って分析している。特に安部内閣が推進・加速化させる日本の「全面正常化」(「正常な国」の地位を全面的に回復するとともに、「強い日本」を取り戻すための新しい国づくり)や、釣魚島(日本名・尖閣諸島)の領土権問題の激化の背景にある日中関係などの問題を深く検討している。また2014年の日本の政治、外交、安全防衛、経済・社会の発展傾向に対する展望のほか、2013年に日本で起こった大きな事件を収録した付録もついている。
以下は、「日本青書(2014)」の要旨
■政治
2012年末の衆議院選挙や2013年7月の参議院選挙の結果により、日本の自民党が再び政権与党となり、衆議院の多数派の与党が参議院の少数派となるねじれ国会の構造を解決させたことが、日本の政党政治の動向に大きな影響を与えた。安部内閣は日本の「全面正常化」を加速し、政治の右傾化を良しとする理念を基礎とした戦略的外交を世界で展開し、前向きな平和主義による安全防衛政策からの転換を進めた。
■中日関係
2013年に安部内閣は日米同盟の強化を求めるほか、周辺諸国と安全保障に関する提携強化を進め、多方面にわたって中国を牽制した。釣魚島をめぐる中日関係は硬直したままで、中日貿易摩擦や対立は、外交、安全保障関係の緊張、貿易、投資減少、国民感情のさらなる悪化など、多方面にわたって広がった。特に2013年末の安部首相による靖国参拝は、国際正義や人類の良識に反するもので、戦後の国際秩序を真っ向から否定し、中日関係を正常国交化以降最も厳しい局面に陥らせた。
■日本経済
2013年の日本経済をまとめると、日本の株価は高値で始まり、安値で終わった。金融緩和政策と財政政策を強力に推し進める中、アベノミクスは短期的には劇的な効果を発揮したが、実施して1年後にはその効果も弱まり、実質経済成長率(GDP)も減少傾向が明らかになった。社会保障改革面では、「持続可能な社会保障制度の確立を図るための改革の推進に関する法律」が国会で成立し、高齢化対策、医療、高齢者介護などの分野で改革を実施した。対外経済戦略では、日米同盟を強化し、国際経済ルールの制定権などを把握するという要素を考慮し、最終的にTPPに参加した。