ヘーゲル米国防長官は就任以来で初となる訪中を開始した。ヘーゲル長官はまず青島市を訪れ、中国の空母「遼寧艦」を見学し、その後北京で中国の国防部長や指導者と会談した。
遼寧艦は中国国防現代化の代表作の一つで、中国海軍航空部隊の設備・技術の発展の成果を集約している。ヘーゲル長官と随行者は中国軍の進歩を目にし、米国との間に存在する差を見て取った。中国の国防政策は防御中心を維持し、地域で覇を唱えず、米国に挑戦しないことを目標とする。これは中国が遼寧艦の開放によって伝えた、もう一つの情報だ。
中米両軍の交流において、米国は中国の賓客に空母を開放することが多い。中国の視察者はその先進的な設備と整った管理を羨み、中国軍の奮起の原動力にする。中国の改革発展が外から妨害されず、中国が重大な戦略ミスを犯さなければ、強軍・強国の目標達成は時間の問題だ。米国は日増しに力をつける中国との付き合い方を検討し始めている。ヘーゲル長官が中国の空母を視察したことについて、深読みする人も出てくるだろう。
米国はこの検討を終えるまで、中国に対する両面戦略を放棄しないばかりか、むしろ強化するだろう。軍事を巡る中国との接触と交流を維持・強化すると同時に、単独もしくは同盟国と共同で地域内に中国包囲の垣根を構築し、中国を制度の籠、武力の脅威の中に置こうとする。