ノーボスチ通信(電子版)はストックホルム国際平和研究所が4月14日に発表した報告書を引用し、アジア・オセアニアの軍事費が2013年に世界上位を占め、3.6%増となったと報じた。アフリカの軍事費の増加率は8.3%とさらに急速なペースとなっているが、アジア・オセアニアの国防予算総額はアフリカの8倍の4070億ドルに達する。
全体的に見て、2013年のアジアの軍事費は、世界のすべての軍事予算の約4分の1を占めた。多くの西欧・中欧諸国および北米の軍事費が減少したとするならば、アジア・オセアニアは全体的に増加傾向を示した。ロシア・世界武器貿易分析センターの関係者は、「アジア太平洋には、東中国海と南中国海の島の係争が存在する。当該海域には豊富なガス・石油資源が埋蔵されている。客観的に見て、これは各国を軍備競争に巻き込んでいる。軍事費の増加は、衝突が起こりうる地域の特徴とされてきた。中国もシンガポールも、常に軍備競争に取り組んでいる」と指摘した。
アジアの中で軍事費の増加率が最も高かったのはアフガニスタンで、77%に達した。ストックホルム国際平和研究所の専門家は、「これは2014年末に外国軍が撤退してから、アフガニスタン政府が自ら国家安全のすべての責任を担うことになり、その準備が必要となっているためだ」と分析した。
ロシア科学院極東研究所日本研究センターのキスタノフ氏は、「日本は2013年に初めて、長年に渡る軍事費減少を終えた」と語った。
キスタノフ氏は、「日本政府から見ると、これはまず周辺情勢の悪化によるものだ。日本のアナリスト、政治家、軍事専門家の意見によると、朝鮮のミサイルおよび核問題が、日本の大きな脅威になっている。二つ目の要素は、中国の成長を続ける軍事力だ。日本によると、中国の近年の軍事費は2桁台の増加率を維持している。また日本は、中国が公表しているデータを、目に見える氷山の一角に過ぎないとしている。中国には隠された軍事費が多くあり、不透明な部分になっているというのだ。日本の軍事予算の増加は、中国の軍事力の成長に応じたものだ。当然ながら日本周辺の全体的な情勢も日増しに緊張を強めている。日本は中国との間に領土問題を抱えるほか、韓国との関係も悪化している」と指摘した。