国家安全委員会が統一指揮
中国共産党第18期中央委員会第3回全体会議(第18期三中全会)は、国家安全委員会を設置して、国家安全体制と国家安全戦略を整備し、国家安全を確保することを決議した。尹卓少将は、「昆明テロ事件は、国家安全委員会の設置が絶対に必要であることを示した。中国は国家安全委員会を設置して突発事件に対する迅速な処理と正確な政策決定を行い、各部門と一致協力してテロリズムを取り締まる必要がある」と述べ、「国家安全委員会設置は中国が安全問題対応の面で取った重要な制度的補充だ。これによって、中国はより余裕を持って、主体的かつ科学的にテロ勢力に対応できるようになるだろう」とした。
尹卓少将は、「国家安全委員会の最重要任務は国家安全戦略の制定。この安全戦略は中国の反テロ行動と治安維持を法制の軌道に乗せるもので、指導部の交代で反テロ戦略が大きく調整されることはなくなる」と述べ、「反テロ行動は複数部門に関連し、安全部門や情報部門、民事部門、それに傷病者対応などの応急措置にも関わる。国家安全委員会が各部門と協調して共同で任務を遂行する必要がある」と強調した。
世界と協調してテロに対抗
尹卓少将は「テロリズムは中国社会の共通の敵であり、全人類共通の敵でもある」と述べ、「今回昆明テロ事件にかかわった暴徒と背後で指図していた人物は、宗教を通じて民主自由を追求したのではなく、宗教を見せかけにしてテロ襲撃で政治目的を達しようとした」との考えを強調した。
また尹卓少将は、「一般市民が襲撃されたことは、中国がテロリズムの脅威にさらされているだけでなく、世界各国もテロの脅威に直面していることを意味する。反テロリズムについては、全国が連携し、世界が協調しなければならない」と述べ、「米国同時多発テロ事件以降、中国はますます国際反テロ協力に加わるようになった。現在、すでに中央アジア諸国と積極的に連携し、上海協力機構の範囲内で、宗教過激派、民族分裂主義、テロリズムなどの勢力を共同で取り締まっている。
また尹卓少将は次のように述べた。「反テロに取り組む世界各国と共同でテロリズムを取り締まることは、中国が当然買って出るべき責任だ。今後、中国は部隊の派遣も行って、他国内部の反テロ行動を支援していく。例えば、米軍撤退後のアフガニスタンやパキスタンなど友好関係にある隣国で新たにテロ勢力の反撃や復活があった場合、中国は安全保障の見地から一臂の力を貸すだろう。反テロ協調の道を中国は絶対にあきらめない」。
「中国網日本語版(チャイナネット)」 2014年3月7日