中国が5月上旬に係争中の海域に石油掘削リグを設置すると、中国とベトナムの関係が急激に悪化した。南中国海の情勢は、依然として予断を許さない状況だ。交渉のテーブルにつき解決策を模索しなければ、この緊張情勢は時間の流れに伴い、地域の真の「ホットスポット」になるかもしれない。ボイス・オブ・ロシア(電子版)が伝えた。
ロシア科学院極東研究所の専門家は、「双方は緊張を和らげるため接触を続けようとしている。中国とベトナムが経済協力に興味を示していることの他に、両国の意識的な歩み寄りも重要になっている。中国とベトナムが完全に関係を断つことはない。双方は協議を経ずに措置を講じる可能性があるが、高官による接触は続けられる。楊潔チ氏が中越二国間協力指導委員会の会合に出席するのも、その一環だ。問題を解決できなかったとしても、少なくとも衝突を和らげることができる」と指摘した。
中越双方は、譲歩の積極性を示していない。協議が複雑な過程を経ることは理解できる。中国が譲歩を急げば、日本はこれを誤読し、釣魚島(日本名・尖閣諸島)問題で中国により大きな圧力をかける可能性がある。またベトナムと北京は、自国の民意を鑑みなければならない。両国の「興奮」は、未だ収まっていない。
西側諸国の専門家の判断には同意しがたい。彼らはただ、楊潔チ氏のベトナム側の立場に対する批判にしか注目していない。しかし中越二国間協力指導委員会の会合はキャンセルされておらず、中国も出席者のランクを引き下げることはなかった。楊氏のランクは、中国の外相よりも高いほどだ。楊氏は実質的に、中国の最高指導部で外交を担当する重要人物だ。
「中国網日本語版(チャイナネット)」 2014年6月20日