空港経済区に位置する中孚航空科技(天津)有限公司を取材したところ、無人機の機首がホールに展示されていた。同社の科技革新部プロジェクトマネージャの竇城氏は、「この機首は工場内の金型ではなく、3Dプリンターによって製造された。このZ-5無人機は、地質調査や航空撮影などに利用できる。全長は2.6メートル、高さは0.6メートルだ」と紹介した。
1日で印刷完了
「無人機の印刷にはPLA樹脂を使う。この材料の強度は炭素繊維強化炭素複合材料に劣らず、無人機の飛行条件を満たすことができる。この産業レベルの3Dプリンターに、設計図と原材料を入れるだけで、長さ1メートル、幅0.6メートルの物体を直接印刷できる」と語った。
実験クラスの航空機の場合、機首と機体の印刷にはそれぞれ10時間以上かかる。工場の往々にして1週間に及ぶ製造時間が大幅に短縮され、実験段階の部品取り替えによる金型調整の時間と費用も削減された。
航空機製造業での3D印刷技術の活用は、天津市ではこれが初のケースだ。同社は将来的に3D印刷技術に磨きをかけていく。無人ヘリの他に、固定翼機の生産も、3D印刷によって実現可能だ。また航空機内の部品も、将来的には直接印刷できるようになる。
「中国網日本語版(チャイナネット)」 2014年6月25日