習近平国家主席が訪韓するという情報が伝わると輿論が盛り上がり、韓国と共同で日本に対抗することが今回の使命であるという説や、「中韓同盟」という説まで浮上している。中韓はかつてないほど良好な関係となっているが、韓国と共に日本に対抗するという考えは非現実的だ。これは韓国を苦しめるだけで、中国に利用されているという感覚を生み、中国に対する信頼を損ねることになる。
韓国は米国の同盟国であり、韓国の外交は米国の利益を考慮せざるを得ない。自国の同盟国が他国と共に、他の同盟国に対抗するならば、それは米国の利益にはならない(他国が中国であるからなおさらだ)。米国は韓国に強い圧力をかけ、韓日の対立を回避しようとする。米国は朝鮮のミサイルの脅威を利用し、韓国に米日のミサイル防衛計画に入るよう迫った。しかし中国の関心を考慮し、韓国は明確にこれを拒否し、米日韓の情報共有を強化するに留まった。韓国は自国の国情に合致する、朝鮮のみを対象とするミサイル防衛計画「KAMD」(迎撃高度40キロ)を発展させ、中国の懸念を解消する。
日本の右傾化問題が回避されることはない。中韓は日本の指導者の右翼的な歴史観に反感を抱いているが、韓国の歴史問題と安全問題の主張は切り離され、中国と声をそろえることは難しい。両国は自国の手段により、慰安婦や靖国神社などの問題を巡り、日本に抗議することが可能だ。韓国は、中日韓の協力を遅らせるべきではないと考えている。中日の対抗により、中日韓FTAなどの協議が影響を受け、北東アジアの協力が滞っている。韓国はこれに憂慮を示した。