韓国を国事訪問中の習近平国家主席は、盛大な歓迎を受けた。今回の訪韓を中韓関係の歴史における重要な1ページにするため、中韓両国は次のことに取り組まなければならない。
まず中韓は、米国に対する「ゼロサムゲーム」の伝統的な観点を打破しなければならない。戦後、アジアの冷戦状態は、旧ソ連の解体まで続いた。その後アジアの構造には大きな変化が訪れた。「既存の大国」である米国と、新興中の大国として急速に発展する中国の間では対立が絶えないが、同時に新型大国関係を構築しようとしている。米国は自国のアジア太平洋リバランス戦略が、冷戦時代の閉鎖的な戦略とは異なることを強調し続けている。中国も対外的に、「国が強くなれば覇を唱える」という列強の古い道を歩まないことを宣伝し続けている。しかし中米は現時点では、相手国を友人とする信頼関係を構築していない。両国は伝統的な観点を打破し、新たな観点を模索する必要がある。
冷戦時代、中韓関係と韓米関係は対立を余儀なくされた。アジアの政治が新たな局面を迎えた中、中韓米は中韓・韓米関係の利益を巡る対立から脱却し、この二つの関係のウィンウィンを実現し、アジアの協力の新秩序を構築し、互いに協力しなければならない。韓国も過去の「親米論」、「親中論」という矛盾から抜け出し、韓米の伝統的な協力、中韓の新しい協力のため尽力するべきだ。
次に中韓は、日本をアジアの新秩序に入れるよう共に努力するべきだ。中日関係には問題が山積している。中国は友好的で誠意ある、利益を共有する周辺外交政策を主張しているが、領土係争の核心的な利益では譲歩しがたい。日本は「積極的な平和主義」の旗印を掲げ、新たな国家安全戦略を策定した。日本はまた中国の台頭を「覇権的大国の道」としており、19世紀以降の近代国際政治の伝統的な観点により中国をとらえている。日本は韓国が自国と同じ価値観を持つと考えており、韓国を抱き込み中国の台頭を抑制しようとしている。中国は韓国が、日本の帝国主義の侵略を受けたという共通の歴史を持っていると考えており、韓国と共に日本の軍事大国化を阻止しようとしている。
19世紀の東アジアと西側諸国が、近代の国際秩序の競争における不適切な処理により、その後戦略的に受動的な立場を強いられたとするならば、21世紀に近代史の負の遺産を背負い続けた場合、東アジア諸国の前途が明るいとは限らない。歴史の二の舞いを回避するため、中国と韓国は米国を後ろ盾とする日本に対して、東アジアの新秩序の構築に加わるよう説得するべきだ。開始段階において、核心的な利益の調和が難しいならば、まずは環境・文化・科学技術などで最大限に共通の利益を拡大し、アジア人・地球人は共に手をつなぎ前進すべきという観念を若者に持たせればよいだろう。(筆者:河英善 韓国東アジア研究院理事長 )
「中国網日本語版(チャイナネット)」 2014年7月4日