第6回BRICs首脳会議が15日にブラジルで開幕する前に、BRICsの衰退に関する議論が西側で再び展開された。悲観視する人はBRICsの経済成長率が低迷していることを論拠に、この当初から「世界で最も奇妙な国を組み合わせた組織」が輝きを取り戻すことはないと判断した。
これと異なる観点を持つ人は、BRICsの団結が西側の権威を脅かすことを懸念し、今回の首脳会議がBRICs開発銀行と外貨準備基金の設立を決定するという情報について、開発途上国が本気を出したと指摘した。これは米国と欧州がそれぞれ数十年に渡り支配してきた世界銀行と国際通貨基金(IMF)の存在が、直接的に脅かされることを意味する。
一部の人はこの矛盾した心理から、BRICs内部の「さまざまな不和」に目を向けている。一部のインドメディアは、いかに中国と駆け引きをするかを、モディ新首相の国際舞台での得点源とした。BRICsは自国の利益を優先するのだろうか、それとも団結を強化するのだろうか?BRICsは色褪せるのだろうか、それとも輝きを強めるのだろうか?W杯が開催されたフォルタレザとブラジリアで、5カ国の首脳は注目の解答用紙を提出しようとしている。
米誌フォーリン・ポリシーは、「フォルタレザは7月15日、サッカースタジアムから政治の貴賓席に焦点を転じた。このW杯の試合を開催したブラジル沿岸部の都市は、2014年BRICs首脳会議の開催地でもある。ブラジル、ロシア、インド、中国、南アフリカの首脳が一堂に会し、世界銀行とIMFのバランス化を図る重大な決定を発表する。この重大な決定とは、新開発銀行と称されるBRICs開発銀行、BRICsの外貨準備基金の設立のことだ」と伝えた。
上海国際問題研究院世界経済研究所執行所長の張海氷氏は14日、環球時報に対して、「BRICs開発銀行と外貨準備基金は二つの異なる組織だ。BRICs開発銀行は、加盟国と開発途上国のインフラ整備などに資金を提供し、外貨準備基金はある国の外貨準備が不足した場合に援助を提供し、開発途上国の金融安全ネットワークを構築する。分かりやすく言えば、BRICs開発銀行は世界銀行に、外貨準備基金はIMFに近い」と語った。ロイター通信は、「これは事実上、多くの開発途上国に世界銀行とIMF以外の選択肢を提供するようなものだ。ブラジルで協定が調印されれば、この西側諸国を行動よりも発言で脅かしてきた組織が、行動面で大きな一歩を踏み出すことになる。正式名称をBRICs開発銀行ではなく新開発銀行としたのは、トルコ、メキシコ、インドネシア、ナイジェリアなど多くの新興国に進出の余地を残すためだ」と分析した。
「中国網日本語版(チャイナネット)」 2014年7月15日