中国の習近平国家主席は14日、ブラジルに到着して中南米訪問を開始。同日夜にはフォルタレザでオバマ米大統領と電話会談した。昨年6月下旬にも習主席は中南米訪問を終えた後、米カリフォルニア州でオバマ大統領と会談した。中南米が中米両国元首にとって良好な働きかけ合いの新たな舞台に度々なっていることは、両国が共に大局について積極的に計画を立て、両国関係の活性化に努力していることを反映している。(文:沈丁立・復旦大学国際問題研究院副院長。人民日報海外版コラム「望海楼」掲載)
中米双方が機会を設けてトップレベルの意思疎通を行っていることから、世界で最も重要なこの二国間関係を双方が共に非常に重視していることがよく分かる。まさに昨年の「習・オバマ会談」において、両国元首は両国関係について新型の大国関係の発展という積極的な基調を定めた。両国元首は今回の電話会談で、この基調を再確認した。習主席は相互尊重と建設的方法によって溝をうまく処理し続け、両国関係が終始積極的な方向に沿って発展するよう確保することを強調した。オバマ大統領は中国側と共に、この新型の関係の構築に尽力する考えを表明した。
昨年の「習・オバマ会談」以降、中米関係は安定の中で進展し、長足の発展を遂げた。中国海軍艦隊が現在ハワイ海域で米国主催の軍事演習「リムパック」に参加していることは特に際立った協力であり、これも昨年の「習・オバマ会談」で決定されたことだ。一方で、中米関係にはマイナスの事態も度々生じている。情報セキュリティーに関わるPRISMスキャンダルやサイバー攻撃スキャンダル、海洋の安全に関わる東中国海や南中国海の問題が、双方の相互信頼と協力を少なからずかき乱している。
米政府の一部高官は中米関係にマイナスで、「習・オバマ会談」の定めた基調に沿わない言動を度々行っている。特に中国の核心的利益に関わる問題で、米側は誤ったシグナルをたびたび発している。先日の米国務省某高官による南中国海に関する提案は、各国に現状凍結を呼びかけているように聞こえるが、実際には南中国海の島や礁に対して中国が領有権を有する事実、すでに他国が中国の海洋権益を損なっている事実を否認するものであり、米国が一方の肩を持った最新の事例だ。
ホワイトハウスは米国の立場を代表する最高機関であるはずだ。米大統領は昨年の「習・オバマ会談」以降、安定し、平和的で繁栄した中国を歓迎するとともに、新型の大国関係の共同構築に尽力すると繰り返し表明しているが、米国の各当局は混乱したメッセージを発し続けており、その手のつけられない状況はすでに中米関係に多くの妨害をもたらすとともに、米国自身の利益も相当損なっている。