元東アジア・太平洋担当国務次官補のカート・キャンベル氏は、フィナンシャル・タイムズの寄稿文の中で、「習近平国家主席が就任後、汚職撲滅を強化し、経済改革の抱負を示し、強気の発言をしていることは、世界が新たな歴史の段階に入ったことを示しているかのようだ」と指摘した。
この「中国の対外戦略、今後は積極的に」と題する記事は、「中国は今や単純に反応するだけではなく、自国のプランに基づき積極的に行動している。習主席の新戦略は、現在出現している新モデルを判断しようと躍起になる中国問題専門家を時代遅れにさせた」と分析した。同記事の内容は下記の通り。
伝統的な観点は、中国は主に汚職撲滅、普遍化している汚染問題などの差し迫った課題、および効率の低い国有産業の再編など、国内の重要な事業にばかり注目するとしていた。数十年間に渡り形成された普遍的な認識、つまり良好な国際環境は、中国が国内事業の重視を続けるための重要な条件だ。
人々はアクシデントが発生した場合、不測の事態や事故が生じることを恐れるばかりで、事前に戦略を立てることはなかった。多くの事件は単発的なものとされ、綿密に策定した全体戦略の一部とはされなかった。
習主席の就任後、状況は変わった。この中国共産党中央委員会総書記、中国国家主席が、汚職撲滅を強化し、経済改革の野心を示し、強気の発言をしていることは、世界が新たな歴史の段階に入ったことを示しているかのようだ。
この新たな段階には、いくつかの注目すべき特徴がある。まず習主席の政策決定における強いリーダーシップがある。中国当局は政策決定の過程において、人々の好奇心あふれる目を極力避けるため、習主席の政策決定に誰が直接関与しているかを明かしていない。関係者の情報によると、習主席はさまざまな問題を巡る政策の形成・執行において、リーダーとしての役割を演じているという。
かつて多くの中国問題専門家は、中国の行動を強硬な反応としてとらえていた。つまり中国は周辺諸国からの脅威・挑発に必要な措置を講じ、激しい係争が存在する問題を次の世代に委ね、不明瞭な現状の維持に満足するというわけだ。
現在の中国は単純に反応するだけではなく、自国のプランに基づき積極的に行動している。この日が、ついに訪れたのだ。習主席の新戦略は、現在出現している新モデルを判断しようと躍起になる中国問題専門家を時代遅れにさせた。中国の最近のこれらの動き、習主席のリーダーシップは世界の人々に対して、中国の意図を正確に判断するよう促している。
目的を持ち、中国と定期的な外交を維持することは非常に重要だ。世界には、これより重要なことはなくなったのかもしれない。
「中国網日本語版(チャイナネット)」 2014年8月12日