中国には、米国と戦略的信頼関係を発展させる願いがあり、米国にもそれがあるようだ。両国の指導者は何度も会談し、意思疎通のさまざまな枠組みを構築してはいるが、効果はそれほど得られていない。大国の相互信頼関係の構築は非常に困難であり、言葉による意思疎通の効果は限られている。これは行為による探り合い、共通する利益の実現と強化に取り組む必要がある。
中米の軍機の摩擦による影響を和らげる力が低下する中、摩擦の阻止が重要な意義を持つようになっている。これは、両国がより安定的な戦略関係を形成するため、時間を稼ぐことができる。大国の軍事対抗の代価は高くつき、これを望む大国などは想像できない。
米国は中国の計画を妨害していないと表明し、中国は米国の勢力をアジアから追い出すつもりはないと表明している。これはどちらも真実と言える。両国はそれとは逆のことができないからだ。しかし両国は自国の安全のため、かけ離れたパワーバランスを実現しようとしている。米国は中国に対する圧倒的な力を維持しようとしており、中国は両国の実力の差を出来る限り縮めようとしている。中米の共通認識は枠組み化されておらず、苦しい磨り合わせの期間を経るしかない。
混乱を極める世界の利益の場において、公理がかすかに残されている。米国が中国の玄関前まで来たのだから、中国の行為には自衛的な性質がある。中国は正々堂々と、より力強い手段により米国の権利侵害の覇権的な行為に反撃できる。中国にはその決意と正義があるが、米国は理が通らず後ろめたく、示されている決意は虚勢のように見える。
中国は近海の摩擦で米国に強硬な態度を示し、千里を遠征する決意を持ち、米国に対する近接偵察の能力を発展させるべきだ。中国に米国の安全を脅かす意図がなければ、中国が自国の対応を通じて積極的に、米国と戦略的な対抗を仕掛けることはない。
「中国網日本語版(チャイナネット)」 2014年8月28日