中国の習近平国家主席が9月11日から19日にかけて、タジキスタンのドゥシャンベで開催された上海協力機構(SCO)加盟国首脳理事会第14回会議に出席した後、タジキスタン、モルディブ、スリランカ、インドの4カ国を公式訪問しました。中国外交部の王毅外交部長はこのほど記者に対して、習近平主席の歴訪の様子を次のように紹介しました。
「黄金の秋に、中国が展開した周辺国との外交活動は実り豊かな成果を収めた。習近平主席が訪れたこの4カ国はいずれもかつて、陸地および海上におけるシルクロード沿線にあった重要な国であり、中国とは長い友好の歴史を持ち、現在利益関係の大きい国でもある。中国が打ち出した『21世紀海上シルクロード』および『シルクロード経済ベルト』の構想は、これらの国々と中国とを結びつけ、国を豊かにするという人々の夢を実現する道を共に歩みだす機会を与えてくれた。
習近平主席は訪問期間中、70余りのイベントに参加した。その訪問は歴史的な意義を持つものだと世界から注目されている。特に、上海協力機構の発展を促し、中国と訪問国、及び南アジア地域との関係を一層密にしたとされている。
訪問の意義について、以下の三つが挙げられる。
一つ目は上海協力機構の発展を促し、安全保障と経済発展を共に推し進めること。習主席は上海協力機構の発展について中国の主張を述べた。つまり、加盟国は運命共同体と利益共同体の意識をしっかり持たなければならず、テロリズム・分裂主義・過激主義という「3つの勢力」の取締りに連携して取り組むことなどを強調した。
上海協力機構加盟国首脳理事会第14回会議では、加盟国増員の法律文書が批准され、パキスタンやインドなどの国が加盟申請を行っている。一方、会議期間中、習主席はロシアのプーチン大統領と今年4回目の会合を行い、金融や大型プロジェクトでの協力や、天然ガスパイプの建設などで協力の強化を確認した。また、中国・ロシア・モンゴル人民共和国三カ国の首脳は初めて首脳会合を行い、中•露•蒙三カ国経済回廊の建設や貨物の越境輸送などを含む3ヵ国間の協力の方針を確立した。
二つ目は、訪問国との関係を新たなレベルにまで引き上げたこと。特にインドと中国は共に古代文明を有する国同士として、また、最大の発展途上国と新興国として、長い友好の歴史を持ち、共に民族の復興に取り組んでおり、多極化する世界の中での重要な国である。双方は両国間、地域、世界の3つの角度から協力を強化し、両国および発展途上国の共同利益を維持し、国際政治や経済秩序がより公正的、より合理的な方向へ発展できるよう推進することで見解の一致を見た。
三つ目は、『21世紀海上シルクロード』および『シルクロード経済ベルト』の建設を踏まえ、中国とこれら4カ国との利益共同体、運命共同体を築き上げること。この構想は昨年打ち出されてから、周辺国から大きな支持を得、既に理念の設計や全体的枠組みの設置などの過程を過ぎ、実務的な協力の段階に入った。」
王毅外交部長は最後に、経済を発展させるには周辺国との良好な関係がなくてはならないと強調した上、中国と周辺国との外交活動は新たな活発期を迎えつつあると述べました。
「新華網日本語」2014年9月21日