新型の海上安全保障観は各国の利益に合致

新型の海上安全保障観は各国の利益に合致。 現在、世界の海上安全保障情勢は全体的に安定しているが、伝統的安全保障上の脅威が依然存在し、非伝統的安全保障上の脅威が日増しに際立ち、歴史の残した問題と現実的な利益の衝突が入り交じって、海上安全保障問題は多様化、複雑化、総合化の趨勢を呈している・・・

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発信時間: 2014-09-23 16:15:07 | チャイナネット | 編集者にメールを送る

 中国海軍の呉勝利司令官は15~21日、米ニューポートの海軍戦争大学で開催された第21回国際シーパワーシンポジウムに出席した。呉司令官は「新型の海上安全保障観を確立し、平和的発展の海洋環境を共に築く」と題して大会発言を行った。呉司令官は習近平国家主席が第4回アジア信頼醸成措置会議(CICA)で打ち出した新型の安全保障観を重点に、「共通の安全保障、総合安全保障、協調的安全保障、持続可能な安全保障」を柱とする新型の海上安全保障観について明らかにし、積極的な反響を得た。(文:張軍社・海軍軍事学術研究所研究員。人民日報海外版コラム「望海楼」掲載) 

 現在、世界の海上安全保障情勢は全体的に安定しているが、伝統的安全保障上の脅威が依然存在し、非伝統的安全保障上の脅威が日増しに際立ち、歴史の残した問題と現実的な利益の衝突が入り交じって、海上安全保障問題は多様化、複雑化、総合化の趨勢を呈している。呉司令官が明らかにした新型の海上安全保障観は、平和的発展という時代の潮流を反映し、世界各国の共通利益を体現している。 

 共通の安全保障とは、各国海軍が共に海上の安全を守ると同時に、海洋の安全を享受することである。アデン湾を航行する商船は、特定の国に属すが、船上の貨物は別の国のものであり、船員はさらに別の国の国民である可能性が高い。この商船が乗っ取られた場合、複数の国々に影響が及ぶ。従って、海上安全保障問題を解決するには、共通の安全保障の理念を堅持し、同舟相救い、共同で助け合うべきである。各国の理にかなった安全保障上の懸念を尊重し、これに配慮すべきであり、他国の安全を犠牲にして自国のいわゆる絶対的な安全を図ってはならない。 

 総合安全保障とは、伝統的分野と非伝統的分野の海上安全保障問題を総合的に解決することである。現在の海上安全保障問題はすでに伝統の範疇を超え、軍事、エネルギー資源、航行、環境など伝統的・非伝統的を含む様々な分野に及び、テロ、海賊、麻薬密輸、不法移民など国際犯罪が深刻化し、自然災害が頻発している。海上安全保障問題を解決するには、多角的アプローチと総合的対策が必要である。島嶼の領有権や海洋境界の画定をめぐる紛争といった伝統的安全保障上の問題を適切に解決すると同時に、国際犯罪や自然災害など非伝統的安全保障上の問題への対処も重視する必要がある。 

 協調的安全保障とは、実務協力を通じて海洋の安全を図ることである。現代世界では、いかなる国、いかなるシーパワーも世界の海上安全保障上の脅威に単独で対処することはできない。国際協力が大勢であり、必然的な選択でもある。各国海軍は協力によって平和を図り、協力によって安全を促進し、協力によって互恵・ウィンウィンを実現する方針を堅持すべきである。2008年以来、中国を含む20数カ国が国連安保理決議に基づき、海軍艦艇を派遣して、アデン湾とソマリア沖で海賊を共同で取り締り、国際海上交通路の安全を守っていることは、協調的安全保障のモデルケースだ。 

 持続可能な安全保障とは、安全と発展を共に重視し続けることである。歴史が証明済みのように、安全が保障されなければ、長期安定的な発展はあり得ない。また、発展という支えがなければ、長期的な安全もあり得ない。海上安全保障問題を解決するには、安全上の危険を管理・コントロールし、係争が激化して制御不能とならないよう努力すべきだ。例えば、一部の国々の間に存在する島嶼の領有権や海洋境界の画定をめぐる紛争は、すぐには解決困難でも、「係争棚上げ、共同開発」の考えに従い、溝を管理・コントロールすることができる。 

 海洋は地球の表面積の70%以上を占め、世界の人口の80%が沿海部に暮している。海洋が今日ほど重要になったことはこれまでなかった。そして海軍は世界の海洋の安全を守る主たるパワーだ。各国海軍が新型の海上安全保障観を堅持し、積極的・実務的措置を講じ、交流や意思疎通を通じて猜疑心をなくし、対立するのではなく協力し、互いの核心的利益と重大な懸念を尊重し合いさえすれば、平和的発展の世界海洋環境を構築し、国際社会と各国民に幸福をもたらすことができる。(編集NA) 

 

 「人民網日本語版」2014年9月23日

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