2014年アジア太平洋経済協力(APEC)の首脳会議が開かれる前、アジア開発銀行(ADB)のスティーブン・グロフ副総裁は、開放型の貿易と投資体制の成長は発展途上経済圏にメリットをもたらすとの見方を示した。中国は自国なりの経済成長の道を歩み、他の経済圏の手本になった。APEC域内だけでなく、他の地域間の協力においても中国は積極的な役割を果たしている。
経済の創造的な発展、改革と成長について、グロフ副総裁は「創造的な発展は地域が長期的な繁栄を保つ鍵である」と話した。中国とアジア太平洋地域の多くの国で労働集約型産業と資本集約型製造業における比較的優位性が消えつつあり、知識をベースとする成長に変わることが重要になっている。同氏は、「イノベーションで発展を推し進めることで、一部のアジア国家は中所得国の罠を避けることができる。アジア経済は高等教育、職業教育とトレーニング、イノベーション、情報と通信技術に多額を投資し、経済体制を変える必要がある」と語った。
発展途上経済圏がいかに自国の経済成長を促すかについて、同氏は以下のような考えを示した。国際金融危機後、アジア経済は急速に回復した。ADBの統計によると、2014年のアジアの発展途上経済圏の成長率は13年の6.1%よりやや高く6.2%になり、安定した成長を維持し、2015年の成長率は6.4%になる見通しである。また、地域内の経済圏の成長を維持するため、政治とマクロ経済の安定を維持しなければならない。具体的には、インフラ、教育、衛生などの面に投資し、開放型の貿易と投資体制を発展させ、政府ガバナンスをきちんと行こことで、あまねく広がる成長を維持する。そして、本地域での経済協力をより充実させ、リンケージを支える。これによって、貿易や外資誘致も促進される。国境を超える道路、鉄道、電力供給網をグレードアップさせることで、APEC加盟国は地理的な連携を改善し、アジア全体の経済圏の外部に対する抵抗力を強めることができる。
「中国網日本語版(チャイナネット)」2014年11月2日