注目の3大議題、自由貿易圏とTPPは矛盾しない
王毅外相によると、今回の会議のテーマは「未来志向のアジア太平洋パートナーシップを共に築く」で、「アジア太平洋自由貿易圏の交渉再開」、「アジア太平洋経済の発展の新たな原動力の発掘」、「アジア太平洋の全面的な相互接続の新たな青写真の作成」の進展に期待できる。
アジア太平洋自由貿易圏という概念は、2006年のハノイAPEC首脳会議で提案されていた。しかしこの議題は長年に渡り実質的な進展を実現しておらず、アジア太平洋ではさまざまな二国間・多国間経済協力枠組みが誕生している。これには米国主導の環太平洋経済連携協定(TPP)が含まれる。
北京大学国際関係学院副院長の王逸舟氏は、「APECの大家庭において、数十のさまざまなサブ地域枠組みの交渉が進められているが、中国は今回さらなるアジア太平洋全体の協力を推進しようとしている。もちろんこれは米国のTPPと一線を画するものと判断する人もいるが、実際にはそうではない。現在の世界経済には、地域一体化などで多くの交差・重複が見られている。これは単純な排斥ではなく、融合による相互補完だ」と述べた。
APECの主な加盟国は、アジア太平洋自由貿易圏の指導理念と方法について意見を一致させておらず、短・中期的に具体的な建設計画で一致することは困難と分析されている。しかし多くの専門家は、すべての物事は始まりが困難と考えている。今回開始・推進されるアジア太平洋自由貿易圏の交渉は、長年に渡る夢を行動に変え、アジア太平洋の地域一体化水準を高める重要な一歩になる可能性がある。
「中国網日本語版(チャイナネット)」2014年11月5日