APECの21エコノミーは太平洋両岸の至る所に分布し、米国、カナダなど先進国もあれば、ペルー、パプアニューギニアなど発展途上国もある。FTAAPは各エコノミー間の発展格差の一層の縮小に尽力し、先進エコノミーの発展の強みを際立たせるとともに、発展途上エコノミーの発展上の訴えにも配慮し、標準と水準における「最大公約数」を得るよう努め、各エコノミーの快適度に配慮し、発展水準の異なるエコノミーが共にアジア太平洋大市場において協力チャンスを共に享受できるようにし、アジア太平洋のあまねく広がる発展を実現する。
FTAAPプロセスの始動が地域の自由貿易の主導権と道筋をめぐる新たな争いを巻き起こすことを懸念する声もある。実際のところ、こうした懸念の必要は全くない。FTAAPのような壮大な目標、プロジェクトは、一国または数カ国の一存で決められるものではない。APECを「インキュベーター」としてFTAAPを推進するのは、アジア太平洋の各エコノミーが共同で打ち出したことであり、必然的に各エコノミーの最も広範な利益を代表している。
オーストラリア、中国、韓国、ニュージーランドの学者による共同研究報告は、製品貿易の自由化、製品貿易の自由化+貿易の円滑化、関税の撤廃+貿易の円滑化+サービス貿易の自由化という3ケースを想定した場合、FTAAP構築によってAPECエコノミーのGDPはそれぞれ0.55%、2.26%、2.33%増加することを示している。FTAAP構築の先行きに大きな自信を抱くだけの理由がわれわれにはある。
もちろん、FTAAPの構築は始動から最終的な実現までに長い道を歩まねばならず、様々な困難や問題に直面するだろうし、「スパゲティ・ボウル」の後続現象もアジア太平洋経済協力に複雑な影響を与えることになる。だが目標はすでに明確であり、プロセスは間もなく始動する。われわれに必要なのは揺るぎない協力の意志と不撓不屈の探求精神だ。
これはAPEC参加エコノミー共通の意志であり、今年のAPEC北京会議への各エコノミーの期待でもある。(編集NA)
「人民網日本語版」2014年11月6日