習近平国家主席は12日に人民大会堂でオバマ米大統領と会談し、中米関係および共に関心をもつ重大な国際・地域問題について、率直に意見を交換した。両国首脳は会談で多くの重要な成果を獲得した。そのうち一部は中米関係において画期的な、節目となる意義を持つ。
(一)「中米気候変動共同声明」が発表された。双方は各自の2020年以降の行動目標を宣言し、2015年の国連気候変動パリ会議の合意を共同推進することを発表した。米国は全経済における二酸化炭素排出量を、2025年までに2005年の実績より26−28%削減するという目標を打ち出し、28%削減できるよう努力することになった。中国は二酸化炭素の排出量を2030年頃にピークとし、その時期を出来る限り早めるよう努力する。世界的な気候変動の交渉が、長年に渡り紆余曲折を経て停滞する中、双方の自発的な公約は世界的な交渉を促進する。
(二)双方は「情報技術協定(ITA)」の品目拡大を巡る交渉を早期回復・終了することで合意した。締結された場合、ITAは世界貿易機関(WTO)が誕生してから19年間で初の関税譲許協定となり、WTOの多国間交渉の機能に対する信頼を深めることになる。
(三)双方の投資協定を巡る交渉は、今後一定期間の双方の経済・貿易関係における、最重要事項だ。双方は交渉に向け、必要な資源を投入する。両軍関係において、両国の国防部・国防総省は重大な軍事行動の相互連絡・信頼システムの形成に関する覚書と、海と空の偶発的な衝突を防止する行動規則に関する覚書に調印した。これには両軍の相互信頼を促進し、誤判断を減らす積極的な意義がある。双方はまた汚職撲滅や、犯人の追跡および不正に取得した金品の追及を強化することで合意した。これは中国の汚職撲滅の国際的な協力にとって、重要な進展となった。
(四)一部の重大な国際・地域問題で意思疎通と連携を強化する。これにはアフリカ諸国のエボラ対策、アフリカのエネルギー能力・発電能力の強化への協力や、アフガニスタン問題を巡る中米とアフガニスタンを交えた対話などが含まれる。双方は解決困難なイランの核問題、朝鮮の核問題、対テロなどの問題で協力を強化する。
オバマ大統領の今回の訪中は、初めての訪中から5年後のタイミングだった。両国関係は新たな戦略的岐路に立たされている。双方は協力を維持・拡大し、効果的に食い違いをコントロールしようとしている。この状況下、中米双方は今回の首脳会談を重視した。ライス米大統領国家安全保障担当補佐官が事前に訪中し、王毅外相、楊潔チ(竹かんむり+褫のつくり)国務委員が相次いで訪米した。双方の事務レベル協議が続けられ、中米首脳会談の準備を整えた。ケリー国務長官とオバマ大統領は訪中前、中米関係についてスピーチを行い、大統領の訪中の地ならしをした。世界の輿論も、中米関係の今後に注目している。
中米双方は今回の首脳会談を契機とし、中米新型大国関係の軌道上を歩み続けるはずだ。
「中国網日本語版(チャイナネット)」2014年11月13日