中国国際関係の学術研究の権威ある報告書「アジア太平洋白書:アジア太平洋地区発展報告書(2015)」が、30日に北京市で発表された。同白書の内容は下記の通り。
米国の「アジア太平洋リバランス」戦略、「オフショア・バランシング」の様相を呈する
米国の「アジア太平洋リバランス」戦略は、国内外の各種要因(経済回復の遅れ、深刻な財政圧力、民主党の中間選挙の大敗、テロ勢力・イスラム国の軍事的脅威への対応、ウクライナ危機および対ロ制裁など)による制約を受けている。しかしアジア太平洋リバランス戦略は、米国内外の制約要因によって終了もしくは停滞することはない。
同戦略は過去1年間に渡り、アジアの同盟国をアジア太平洋リバランスに貢献させるという戦略的目標を構築・拡大する、「オフショア・バランシング」の様相を呈した。
アジア太平洋リバランス戦略のオフショア・バランシングは、平和憲法を改正し、「正常な国」になろうとする日本に対する米国の立場に最もよく示されている。安倍政権は2014年7月1日、憲法9条を見直し、自衛隊の武力使用の制限を解除することを閣議決定した。これは日本が平和憲法改正の道に向け、実質的な一歩を踏み出したことを意味する。この変化の裏には、米国の「容認」と支持がある。
未来を展望すると、平和憲法を改正し正常な国になるという日本の目標に対する米国の「容認度」は、中国の平和的な台頭に対する米国の態度にかかっている。米国が、中国の平和的な台頭を十分な脅威とするならば、正常な国になろうとする日本の戦略に対する容認度が無限大になる。その逆の場合、米国は日本の行為を「制限」する。これは米国のアジア太平洋リリバランス戦略のオフショア・バランシングの特徴から派生する、必然的な結果である。