「親、誠、恵、容」を理念とする中国の周辺戦略が浮上
2013年に開かれた中央周辺外交工作会議を象徴とし、「親、誠、恵、容」(親睦、誠実、恩恵、寛容)を理念とする新時代の中国周辺戦略の形成が始まっている。同時に、中国の対外戦略における周辺諸国の地位が高まっている。中国周辺戦略は2014年に、「親、誠、恵、容」の理念を巡り一連の重大な進展を実現した。
(一)アジア信頼醸成措置会議(CICA)首脳会議を契機とし、中国が提唱するアジアの新安全観が幅広く認められた。アジアの発展の実情と共同の利益に合致する新安全観の提唱・実践は、アジア諸国全体の願いだ。
(二)中国が北京APEC首脳会議で提唱したアジア太平洋自由貿易圏(FTAAP)は、APECに新たな活力を注ぎ込んだ。中国は提案の中で、アジア太平洋自由貿易圏の建設はAPEC全加盟国の参与を前提とすべきと強調した。
アジア太平洋の地域経済協力は、先行きが依然不透明な中日韓自由貿易区、中国を除くTPP、米国を除く東アジア地域包括的経済連携(RCEP)が鼎立する局面を迎えている。アジア太平洋の経済協力の現在の苦境から脱却するためには、アジア太平洋自由貿易圏が理想的な活路になる。
(三)地域主義の発展の流れに適応し、中国と周辺諸国の自由貿易区の交渉が、重大な進展を実現した。中国は2014年に中韓・中豪自由貿易区の実質的な交渉を完了した。両国はいずれも先進国で、中国の主要な貿易相手国であり、中国経済に大きな影響を及ぼすことになる。
(四)「一帯一路」(シルクロード経済ベルト、21世紀海上シルクロード)の提案が、アジアに新しい地域経済協力の選択肢をもたらした。平和的台頭に伴い、中国は大国として外交を経済に貢献させることを単に強調するだけでは、発展の需要を満たせなくなった。「親、誠、恵、容」の理念を示すことができる経済外交が、必然的に課題となっている。一帯一路は、開放的・多元的を特徴とし地域協力の進展を促し、最終的に世界の貿易・投資自由化を促す新たな手段になる可能性もある。
「中国網日本語版(チャイナネット)」2014年12月31日