中国が実践から得た発展の経験には普遍的な意義があり、中国の経験を学ぼうとするすべての発展途上国が理解する価値がある。
中国は改革開放以来、その発展を巡るさまざまな異議に対して、実際の成果で答えてきた。多くの国は中国から、発展停滞の障壁を打破し、中所得国の罠から脱する方法を学んだ。これは各国の発展の過程が、歴史や文化、過去の発展の道によって異なるが、経済がグローバル化する現在において、一部の措置は発展を求めるすべての国に適していることを示している。
力強い中央政府、力強いマクロ調整の職責・能力が極めて重要だ。安定した力強い政府がなければ、長期的・安定的な発展が難しいことは、歴史によって証明されている。改革の中で党の政治指導力を重視・強化することで、国家の長期的な発展の流れをけん引・維持できる。中国共産党は特に、その最高指導部の指導者であり、中国の成功を左右する決定的な要素だ。
政治・経済体制の改革を着実に推進する。改革には不可避なリスクが生じるが、歩みを緩めることでこれらのリスクは最低限に抑えられ、改革を促進できる。鄧小平が「石橋を叩いて渡る」と言った通りだ。この秩序正しく徐々に進むという原則により、中国は少なくとも3つの危機を乗り越えた。これは1988年のインフレ、1997年のアジア通貨危機、2008年の世界金融危機のことだ。
国民生活を重視し、経済発展の成果を各個人に届ける。改革の措置を成功させるためには「最大公約数」を見出し、各層の人々の心を一つにし、力を形成しなければならない。
科学技術・研究開発・人材管理に特化した教育政策の制定を重視する。識字率の上昇、義務教育の普及などに関する中国の多くの経験には、世界に参考にされる意義が含まれている。国家の発展は無数の科学者、エンジニアなどの高学歴の人材が必要だ。国に質の高い教育がなければ、大きな発展は実現困難だ。
企業・大学・研究機関などの国家科学技術革新体制の構築を重視し、科学技術の競争力を高める。中国のような巨大な経済体にとっては、独自の研究開発能力が非常に重要だ。先進国と比べ、中国には特殊な経済の需要と地理的条件があり、的を絞った科学技術の研究開発が必要だ。中国人科学者が発明したハイブリッドイネは、その成功例だ。
中国が実践から得た発展の経験には普遍的な意義があり、中国の経験を学ぼうとするすべての発展途上国が理解する価値がある。(筆者:世界銀行顧問、サンパウロ大学国際政治関係教授)
「中国網日本語版(チャイナネット)」2015年1月14日