第4に、コネクティビティ効果。中韓FTAによって最終的に韓国は中国の「1ベルト、1ロード」(シルクロード経済ベルト、21世紀海上シルクロード)に相乗りし、中国とのコネクティビティを加速してユーラシア大陸に融合する。韓国はアジアインフラ投資銀行(AIIB)創始国資格を留保しており、将来的にアジア欧州大市場にさらに融合することが完全にできる、一方日本や米国など太平洋地域の国々はオフショア・バランシングに明け暮れており、ユーラシア大陸文明復興のチャンスを逃す恐れがある。
第5に、懸け橋・紐帯効果。韓国はすでにEUや米国など主要エコノミーとFTAを締結しているうえ、FTAAPという中国の提案を支持し、さらに環太平洋パートナーシップ(TPP)協定への参加を協議している。だが韓国が他国と締結するFTA協定のうち、関税優遇対象が最も多いのは中韓FTAだ。韓国対外経済政策研究院の予測によると、FTA発効から5年以内に韓国のGDPは最高で1.25%上昇する見込みがある。したがって韓国にとって中韓FTAには並々ならぬ意義がある。ある韓国の学者によると、中韓FTA交渉を他に先駆けて妥結したことは、米国のTPP推進に拮抗するパワーとなり、この地域における米国による中国への潜在的抑え込みの影響を薄める助けとなる。韓国はまた、中間国家として懸け橋の役割を果たすこともできる。つまり中米間で意思疎通の役割を発揮し、アジア太平洋経済の統合をさらに加速することができる。
中韓FTAは無論他のエコノミーに衝撃や試練をもたらしもする。例えば韓国経済と同質の競争を行っている日本や台湾地区、および中国や韓国との貿易関係が緊密なエコノミーは圧力を感じるだろう。だが試練は逆に動機づけにもなる。ASEANは中国とのFTAのアップグレード版の構築を加速し、域内包括的経済連携(RCEP)交渉を中国と共に推進し、かつ交渉において先頭を切る良い役割を果たしている。(編集NA)
「人民網日本語版」2015年2月27日