中国の王毅が出席した8日の記者会見で、NHKの記者は中国が今年の閲兵式で安倍首相を招待することはないかと質問し、さらに「多くの国民」の疑問として「中国は歴史問題を武器にし日本のここ数年の世界平和への貢献を低く評価している」「中国は日本の世界での信頼に傷をつけているのではないか」「中国は大国としての広い心を持つべきだ」と述べた。
この一連の質問に対し、王外相は自信満々に回答し、平和的でなおかつ原則から外れなかった。王外相は「誠意があれば歓迎する」と指摘した。王外相は中日の歴史問題について、「加害者が危害を加えた責任を忘れないほど、被害者はかつて受けた傷を癒すことができる」という理を強調し、「70年前に日本は戦争に負けたが、70年後に日本は再び良識に負けてはならない」と述べた。
王外相の回答は、中国の世論から高く評価された。王外相は厳しい言葉を使わず、日本に対する「大批判」を行わず、理を説き続けた。中国人は外相のこの態度を評価しているが、これは中日が10年前に歴史問題を巡り深刻な対立に陥った時の衝動的な態度と異なり、中国人が原則を重視すると同時に、理性的な論理の遵守を重視するようになったことを反映している。
台頭中の大国にとって、これは得難い境地だ。外国はよく中国の「ナショナリズム」が深刻であると口にしているが、本当にそうならば王外相はNHKの記者のオブラートに包んだ質問に対して、これほどおおらかに易易と答えることはできなかったはずだ。王外相は過激な勢力の口ぶりに迎合し、もっと分かりやすい「きつい言葉」を口にしたはずだ。
中国の国家全体が平和的になっているが、発展がもたらす自信はこの外交の平和の尽きることなき源泉となっている。王外相は、中国は協力とウィンウィンに合致する「中国の特色ある大国の外交の道」を歩むと述べた。これは中国最高指導部の主張であり、中国の民間の力強い基礎を持つ主流の信仰となっている。
海外では時に、中国の利益を損ねる挑発的な言行が見られるが、中国人は「激怒」しにくくなっている。これらの問題の処理は今や珍しいことではなく、中国社会の対外問題に対する許容力は驚くべき柔軟性を備えている。これは大国としての中国が、「世界的な責任」を担っていることの表れだ。
中日は歴史問題を巡り摩擦を続けているが、中国の忍耐力が増していることを無視できない。中日の摩擦が泥沼化すれば、これは共に損失を被る局面であるが、中国側の適応力は日本を大幅に上回ることになる。ゆえに歴史の重荷を背負い続けるか否かは、日本が選択しなければならないことだ。
中国は対外関係全体に対して、安定的かつ力強い基礎を構築している。中国という大国によって、協力とウィンウィンの精神が力強く提唱されているが、外部の一部の勢力はその生命力を過小評価している可能性がある。中国のこの戦略を打ちのめすことはできない。中国の対外戦略に反対する少数の勢力は、遅かれ早かれ自らの調整に取り組まなければならない。
「中国網日本語版(チャイナネット)」2015年3月9日