汚職撲滅は今年の「両会」(全国人民代表大会、全国政治協商会議)でも、出席者と社会の人々から注目されるテーマとなっている。これは汚職撲滅がまだ終了していないことを意味する。社会の人々は、汚職撲滅そのものの効果の他に、その新たな動向に注目し、新たな措置に期待している。
今年の両会は汚職撲滅に関する戦略的な問題「中国の汚職撲滅の推進を、何によって継続すべきか?」に回答し、一つの見所となった。李克強氏、張徳江氏ら指導者の報告と談話からは、両会が「法による汚職撲滅」という答えを導き出したことが分かる。今年の両会は法に基づく国家統治の全面的な推進という戦略計画に積極的に順応し、新たな汚職撲滅のシグナルを発した。
法による汚職撲滅の前提は、汚職撲滅の法制化だ。全人代常務委員会活動報告は、「今年は重点分野の法制化を強化し、汚職撲滅の国家による法制化を進め、行政監察法の修訂を検討する」と強調した。世界の汚職撲滅の経験を見ると、法による汚職撲滅はこれを積極的に推進する国の法律が必要だ。各国の汚職撲滅法の形式には一定の差が存在するが、国家による法制化が汚職撲滅成功の鍵であるという共通点がある。
法による汚職撲滅の中核は、権力の制約にある。今回の政府活動報告は、「汚職現象には、権力のレントシーキングという共通する特徴がある。権力のスリム化によりクリーンな政治と健康促進を実現し、制度の柵を構築し、レントシーキングの空間をなくし、汚職の土壌を取り除くよう努力する」と表明した。法による汚職撲滅は、権力の監督・制約をさらに強化し、権力を民主の論理と制度の論理に従わせ、権力が我が物顔で振る舞うことを防ぐことを目的とする。
法による汚職撲滅は、政治の自信と政府の信頼を直接的に示す。政治の自信は、新時代の汚職撲滅の成果と、社会の人々の汚職撲滅の取り組みに対する支持から得られる。政治の自信は独りよがりな標榜ではなく、法に基づく国家統治と改革の全面的な深化に対する自信だ。政府の信頼は汚職撲滅を推進するという約束だ。汚職撲滅は一時的なことではなく、「4つの全面」の実現を決める鍵になる。
当然ながら、法による汚職撲滅は砂上の楼閣であってはならず、新時代の汚職撲滅作業の経験と成果を適切にまとめる必要がある。新時代の汚職撲滅は、すでに一連の政策・措置・制度を打ち出している。その執行の成果を法的な形式によって確定し、国家法に格上げすることで、執行力を強化するべきだ。より重要なのは、法による汚職撲滅が開放的な態度を取り、世界の汚職撲滅の精神を参考にし、自国の汚職撲滅の法制度と融合させ、自国の経験に基づき汚職撲滅の国際協力を展開することだ。
法による汚職撲滅は、新たな一歩を踏み出した。
「中国網日本語版(チャイナネット)」2015年3月12日