アジアインフラ投資銀行(AIIB)創設メンバーの申請手続きが、最後の1週間に入った。業界関係者は、AIIBは2015年末までに運営を開始すると予想している。
韓国とオーストラリア、早ければ来週にも加入か
中国人民大学経済学院教授の李義平氏は、京華時報の記者の取材に応じた際に、「AIIBが世界的に注目を集めているのは、先進国のうち英国が真っ先に同盟を打破し、AIIBへの加入を表明したからだ。英国は人民元およびアジア市場の将来性を見込み、人民元オフショアセンターになろうとしている。またAIIB創設メンバーの申請手続きが最後の1週間に入り、意向を持つ各国は意思表示を迫られている」と分析した。
AIIBに詳しい消息筋は記者に対して、「英国、フランス、ドイツなどの主要国がAIIB加入を宣言した中、米国の態度の変化に伴い韓国やオーストラリアが加入を申請する可能性が高まっている」と述べた。
2015年末までに運営開始か
李氏はAIIBの将来性について、「AIIBの創設規則により、創設国の出資比率は国家経済の規模によって決まる。中国は世界2位の経済体であり、最大で50%の出資が可能で、AIIBの中で筆頭株主の地位を占めることができる。中国はAIIBの運営で主導権を握り、アジアの多くの開発途上国の発展の利益と権利を反映することになる。AIIBは2015年末までに運営を開始し、既存の多国籍開発金融機関と異なる位置付けになり、『一帯一路(シルクロード経済ベルト、21世紀海上シルクロード)』の沿線諸国のインフラ整備への資金援助を重視する」と語った。
複数のアナリストはAIIBの人民元国際化に対する意義について、「これには戦略的意義がある」と記者に語った。AIIBは現在、主に米ドルを基礎として資本金を集めているが、長期的に見ると中国が主要出資国となる。中国企業が建設に参与し、人民元建てで決済を行い、人民元の国際的な使用を拡大する。人民元国際化が一定程度に達すれば、人民元を投資用通貨とすることが可能になる見通しだ。
「中国網日本語版(チャイナネット)」2015年3月26日