米大統領特使のルー財務長官が30日から2日間の日程で訪中している。ルー長官は到着当日に李克強総理、汪洋副総理と会談した。今回の訪中がアジアインフラ投資銀行(AIIB)創設メンバーとしての参加申請期限と「期せずして重なる」ことから、外部は想像を膨らませている。「米国はAIIBとの協力を希望する」とのルー長官の30日の発言は、外部の推測に対する回答であるようだ。環球時報が伝えた。
ルー長官と李総理の会談は1時間におよび、習近平国家主席の訪米計画にも言及。ルー長官は「中国がアジアのインフラ整備面でより大きな役割を発揮することを歓迎する。二国間、多国間分野で協力を強化したい」「協力は米中戦略経済対話、世界銀行、AIIB、および米中両国が受け入れるその他の制度を通じて行うことができる」と述べた。
ある米国メディアは「米財務長官の訪中時期は中国主導のAIIB創始メンバーとしての申請期限直前にあたる」と報じた。米国はこれまで設立予定のこの地域開発機関が高水準の融資を行えるかどうかに懸念を表明し、参加しないよう同盟国に促してきた。だがここ数週間で欧州やアジアの主要同盟国が次々に参加意向を表明。米国はこれまでの強硬姿勢を変えたが、参加する考えはまだ表明していない。
北京大学経済学部の曹和平教授は30日、環球時報の取材に「米財務長官が今回AIIBとの協力意向を表明したのは、全世界が米国から離れる中での挽回策だ。全世界に対する外交的姿勢表明であると同時に、参加せずとも世界銀行やアジア開発銀行を通じてAIIBと協力できることをはっきりと伝えるものだ。実際にはAIIBの問題において、米国はまず自らの過ちを認めるべきだ。中国と欧州各国、オーストラリア、韓国は同じ側に立っている。米国はなぜ自らが歴史と反する側に立っているのかを考え直す必要がある」と指摘。米国がAIIBに参加するかどうかについては「その可能性は依然存在する。だが米国は非常に厳しい条件をつける可能性がある」と述べた。(編集NA)
「人民網日本語版」2015年3月31日