第14回シャングリラ会合(アジア安全保障会議)が、5月29日から31日にかけてシンガポールで開催された。アジア太平洋および地域外の26人の防衛部門の指導者が、アジア太平洋の安全や協力などを巡り議論した。
シャングリラ会合は、アジア太平洋の安全対話枠組みの中で大規模かつ高水準の多国間会議の一つだ。中国人民解放軍の孫建国副参謀総長は会合に出席し、中国のアジア太平洋の安全・協力に関する主張について論述した。孫氏は、「中国は毅然たる態度で平和的発展の道を歩み、地域と世界の繁栄と安定の促進に力を尽くす。中国の発展と拡大は、世界各国に重大なチャンスを共同繁栄をもたらす、プラスのエネルギーだ」と発言した。この主張は出席した高官および専門家・学者から評価された。
南中国海問題の不協和音に反撃
米国のアシュトン・カーター国防長官は5月30日の演説で、南中国海のすべての当事国は、直ちに埋立工事を停止するべきだと述べた。カーター氏はさらに、中国の南中国海における行為は、国際的なルールを逸脱していると批判した。
中国国防部外事弁公室の関友飛主任は、カーター氏の発言について、「法理性と建設性を持たない。南中国海の問題の張本人は、中国ではない。一部の当事国がさまざまな一方的な活動を展開した際に、米国は無言を選んだ。事実上、南中国海の航行の自由には、いかなる影響も生じていない。軍事力により航行の自由や存在感をアピールするのは、国際法の航行の自由に対する曲解だ」と指摘した。
地域安全における中国の役割が拡大
孫氏は5月31日午前の会合で、中国が地域安全問題で貫く立場について、さらに論述を行った。孫氏は、「武力では平和を実現できず、強権では安全を保証できない。ウィンウィンによって、初めて大きなこと、良いこと、長期的なことを実施できる。国連平和維持活動、アデン湾の海賊撲滅の護衛活動、ネパール大震災の救助活動、アフリカ諸国のエボラ熱の対策などの数多くの行動は、中国が積極的に国際的な責任と義務を履行し、世界と地域の安全・安定の維持の中で建設的な力を発揮していることを裏付けている」と強調した。
英国の国際戦略研究所の国防・軍事アナリストは記者に対して、「中国の経済力の発展に伴い、中国の国防建設の能力も向上している。ゆえに自国の海洋の権益を維持しようとする願いも、意外なことではない。他国に自らの立場を理解させるため、中国は他国との軍事交流の強化を続け、軍事戦略白書を発表することで、軍事の透明度を高めている。これらはいずれも非常に積極的なメッセージだ」と話した。
「中国網日本語版(チャイナネット)」2015年6月1日