中国と欧州は第3者の市場を共同開拓する。例えば中国はフランスと共に他国の原発プロジェクトを受注し、スペインと共に中南米に投資を行う。さらに中国と欧州の投資基金が設立されれば、双方は欧州、将来的にはアフリカに対する投資において、競争関係から協力関係に変わる可能性もある。これらは中国と欧州の関係に、構造的な変化をもたらす。
欧州の多くの国は、米国の伝統的な同盟国だ。欧州が中国から得る経済的な利益が米国を大きく上回れば、持続的なバランス力が形成される。欧州は安全面で米国に依存しているが、中国に関することでは、オーストラリアよりも独自性を発揮できる。欧州は西側世界において、「中国への理解」の障害が最も少ない。欧州は中国と西側諸国の膠着状態を打破するための、重要な場になる可能性がある。
中日の経済・貿易関係の促進は、両国の政治関係の緊張を和らげていない。中米の経済・貿易協力は、両国の戦略的な疑念を解消していない。中国と欧州の経済・貿易関係は、最大の力を発揮する。日米豪と中国の地政学的な絡みはそれぞれ異なっている。地政学的な利益は経済的な利益を上回るように見えるが、それは他者を圧倒する絶対的な存在ではない。中国と欧州の関係は、21世紀の世界の政治を左右する力を持たないかもしれないが、重要な啓発をもたらし、異なる文明が交流するための基準に影響を及ぼすことになる。
欧州諸国は中国の台頭に対する心の調整を終えたようだ。これは欧州と日本を比べてみれば、容易に理解できる。しかし中国の製造業のレベルアップに伴い、中国と欧州(例えばドイツ)の製造業が新たな競争を展開する可能性がある。我々が中国と欧州の関係を全面的に理解すれば、双方の今後予想されるさまざまな摩擦を山頂から観察し、紆余曲折をへて大海に注ぎ込む川を俯瞰できるようになるだろう。
「中国網日本語版(チャイナネット)」2015年7月4日
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