「三菱マテリアルは今週末、第二次大戦中に強制徴用した米国の元労働者に謝罪する」という情報が、15日に伝わった。米AP通信や仏AFP通信などの西側メディアは、これを「歴史的」、「象徴的な意義」と形容した。しかし韓国メディアは、「なぜ韓国と中国には謝罪しないのか」と疑問視した。
韓国紙『国民日報』はNHKの報道を引用し、「三菱マテリアルの前身は、第二次大戦中に900人余りの米軍の捕虜を労働者として強制徴用した。同社はこの件について、米国に謝罪する。三菱マテリアルの木村光常務執行役員は今週末に代表団を率いて訪米し、強制徴用の被害者と面談し、正式に謝罪する。残りの2人の被害者は健康上の問題があり、今回は1人のみの参加となる」と報じた。
三菱マテリアルの代表団は、バージニア州ウェルスバーグの博物館を訪れて、米軍捕虜を追悼し、博物館の教育プログラムに募金を行う計画を発表する。在米国日本国大使館は、本件と日本政府の関連性を否定し、「謝罪は三菱マテリアルの決定であり、日本政府とは関係がない」と称した。
韓国の経済紙は15日、「米国に謝罪し、韓国と中国には謝罪しない」と題した記事の中で、「同じ時期に、数万人の強制徴用された韓国と中国の労働者も、三菱で酷使されていた。三菱はこれらの人に対して、現在も謝罪と賠償を行っていない」と伝えた。韓国の聯合ニュースは、「日本政府は2009年と2010年に、強制徴用された米国の被害者に正式に謝罪した。三菱の今回の正式な謝罪は、韓国で一連の反響を呼ぶ可能性がある」と報じた。
韓国のNewsis通信社は、「三菱は13日、労働者の強制徴用に関する判決について、韓国の最高裁判所に上訴した。韓国の5人の被害者は2012年、韓国光州裁判所で三菱を相手取り訴えを起こし、賠償を求めた。裁判所は一審・二審の判決で、原告の勝訴とした」と報じた。
道紀忠華シンクタンク首席研究員の庚欣氏は15日、環球時報の取材に応じた際に、「強制徴用は戦争の罪だが、日本政府は政府の責任を薄めようとし、これが企業の行為、労働紛争であると強調している。強制徴用と戦争の罪を結びつけたくはないが、米国とは特殊な同盟関係であるため、中韓との処理基準とは完全に異なっている」と指摘した。
「中国網日本語版(チャイナネット)」2015年7月16日