国際法制は国際関係を整え、定める重要な原則であり、中国はかねてより国際法制を積極的に維持してきた。中国とフィリピンとの海洋紛争には2つの面がある。1つは島・嶼の主権、もう1つはその延伸である海洋権益および重なり合うシーパワーの区分だ。現在、南中国海に関する中比間の最大の争いは、フィリピンが南中国海諸島に対する中国の主権を長年黙認または公に承認してきた後に各種手段を講じてその一部島・礁を併呑したことによって引き起こされた、中国が海洋開発権益を守るための闘争だ。
米国は最も肝要な島・礁の主権問題をあくまでも「問題にしない」と表明したうえ、フィリピンがこうした島・礁を併呑した後に各国に現状維持を要求している。米国はあからさまにフィリピンの側に立っている。島・礁の主権を重んじず、海域経済権益訴訟を起こすだけというのは、全くもって国際法の本末転倒だ。米国は中比南中国海紛争の仲裁形式を問題にすると表明するだけで、国際仲裁裁判所に主権を裁決する資格が全くないことは入念に回避しているが、中比海洋権係争の前提は関係島嶼の主権の帰属なのだ。
米国の国際法尊重は偽りであり、手管を変えてフィリピンなどの側に立つことこそが真相だ。米側がこのように拙劣に国際法を弄ぶのは、国際法制の精神と原則に対する冒涜だ。(編集NA)
「人民網日本語版」2015年7月23日