現職の国連事務総長は韓国の潘基文氏である。漢字を解するこのアジア人は、自らの東洋の知恵を十分に発揮し、複雑な国際的衝突を処理する場面において、「中庸」「公道」という理性に富んだ品性を示している。(文:張敬偉・察哈爾学会研究員)
潘事務総長の最も新しい選択は、中国の9月3日の大型閲兵式への参加である。この閲兵式には、国家元首や政府首脳など30人の外国の指導者、19人の政府のハイレベルの代表、10人の国際・地域組織の代表者が姿を見せることとなる。国連が8月27日に公表した潘事務総長の訪中日程によると、潘事務総長は3日の閲兵式に出席するだけでなく、習近平国家主席や李克強国務院総理と会談し、国連設立70周年や気候変動、まもなく開幕となる国連の「持続可能な開発のためのサミット」などの問題について協議する。
潘事務総長の4日間の訪中に対して、日本は公然と疑義を挟んだ。国連のこれに対する反応は、「現在は、国連と各加盟国が歴史の教訓を汲み取り、いかに国連を発展させて未来の世代に戦禍を免れさせるかを考えるべき時である」というものだった。
潘事務総長は、日本側の批判に対して3つの態度を表明している。第一に、第2次大戦における中国人民の貢献と犠牲は世界の人々が認め、感謝するものである。第二に、国連事務総長として、ポーランドやロシアなどの第2次大戦の記念活動にすでに参加している。歴史の教訓を汲み取り、歴史の教訓を学んで、未来に働きかけることが重要である。中国の閲兵式への参加は国連事務総長としてのなすべき仕事である。第三に、潘事務総長は国連事務総長となって9年のうちに中国を9回にわたって訪問しており、今回の中国行きは、中国の国連に対する貢献に感謝するためのものである。